過去ログ - 垣根「そんな垣根は飛び越えてやる」
↓ 1- 覧 板 20
99: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:30:34.31 ID:53CyeT2I0
ボフン、と勢いよく垣根の横に座ったのは佐天涙子だった。
向かいの席には黒子、美琴、初春という並びで三人の女子中学生が座る。
四人掛けのテーブルに五人座っているのだから、やや手狭に感じるのは仕方がない。
100: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:31:17.73 ID:53CyeT2I0
「……お姉様、またやってらっしゃったんですの? いい加減しないとワタクシ、お姉様をしょっ引かなくてはなりませんの」
あからさまな溜息を吐きながら、黒子は敬愛するお姉様をジトッとした目で見つめる。
101: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:33:00.00 ID:53CyeT2I0
「……長点上機の三年生、だったか」
「長点上機学園ですか!? 凄いエリートじゃないですか!」
102: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:34:17.50 ID:53CyeT2I0
「レベル4の疾風物質【エアロマター】だ。簡単に言えば風を起こしたり、風を凝縮、解放して爆発みてぇな現象を起こせる能力だよ」
「風系かー、いいなぁ」
実際は、垣根の能力は風の操作程度で収まるものではない。
103: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:36:17.47 ID:53CyeT2I0
力の差というコンプレックスが生み出す苦悩。
いつか覆さなければいけない壁を見据える垣根は、いつもよりも少しだけ優しげな表情を見せた。
「悩むな」
104: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:38:47.23 ID:53CyeT2I0
佐天はやや頬を赤らめながらお礼を言う。
人に説教する事など殆どない垣根は舌打ちしながら頬を掻いた。照れ隠しかもしれない。
そんな二人の様子を、向かいに座る三人がニヤニヤしながら見ていた。
「……なーんか、良い雰囲気じゃない二人」
105: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:39:26.36 ID:53CyeT2I0
垣根がジロリと初春を睨む。
実際、幼いころから暗部で行動してきた垣根がまともな恋愛をしてきたかと問われれば、全くそんな事はない。
そもそも、垣根は誰かに好意的な感情を抱いたことすらほとんどないのだ。
106: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:41:12.40 ID:53CyeT2I0
「……学園都市の第三位がそんな性癖とはなぁ……」
「ちっ、違っ! 私は至ってノーマルだから!」
107: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:41:55.95 ID:53CyeT2I0
顔を赤くして初春が思わず立ち上がる。
にひひひー、と佐天は楽しそうな笑顔を浮かべて慌てた様子の初春の頭をよしよしと撫でた。
もしかしてコイツラもそういう関係なのか……と、垣根は何だか女子中学生という存在に不安を覚え始める。
108: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/20(水) 01:43:05.85 ID:53CyeT2I0
「そ、そんな悪いですよ」
「気にすんな。こういう時は黙って男に出させときゃいいんだよ」
「いよっ! 垣根さん太っ腹! マジで惚れちゃいそーですよ!」
826Res/501.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。