3:きゅうりの使者
2012/06/15(金) 20:22:50.25 ID:3fv2HUHAO
少女が、座り込んでマグマの河を眺めていた。
2つのお団子の、無表情の少女である。彼女は、河の上でたわむれるヒトモシ達を眺めている。
少女の唇が動く、
「よくもとけないものである」
教科書でも音読するような声質が橙色の空間に響く。少女はそれだけ言ってまたヒトモシの観察を続ける。
ざ、と靴が大地を引っかく音がした。
「ここにおったんか。こら、ここは危ないというとるのに、まったく飽きんのう」
少女は声の方を振り返る。低く屈んだ男を、じっと見つめた。
「みんな総動員でお前を探しとったんじゃ。心配かけさせよって…」
男が少女の頭に手を伸ばす。
「ひともし、すい」
「やめんか!」
少女の言葉の先を予見して、慌てて男は手を引っ込めた。
「あれ、紫恩ちゃん? ここにいたんだ」
男の向こう側から、少年のような人物が歩いてきた。ライチュウがその後ろを追いかける。
少女はすかさず立ち上がり、男の横をためらいなく通りすぎると、少年の隣にいたライチュウに抱きついた。
9Res/7.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。