過去ログ - 「子供ができた、って言ったらどうします?」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/06/16(土) 00:56:23.34 ID:BeVPOxrr0

 プロデューサー自身、決して悪い気がしなかったが、彼女はまだ男女の仲となるにはあまりに幼い。初潮は既に終えていることは管理の上で確認済であるし、その身体の発育も年齢とは不釣り合いに進んでいる。
 だが、まだ15歳だ。
 彼にとって年齢差は非常に大きな壁であった。そして、その壁を乗り越えるより前に、音無小鳥という恋人を得た。これでさらに確固たる壁が出来た。
 しかし、それに反比例して、美希の想いもまた確固たるものになっていった。
 今では、将来的なことではあるが、プロデューサーを自らの生涯の伴侶にせんと言って憚らない。彼はそれを最初は思春期の、恋に恋する、一過性のものだと思っていた。
 しかし、どうやらそうではないと気付いたのは最近のことではない。彼女は本気であった。
 最初は携帯電話の着信が増えた。内容は多岐に渡ってはいたが、次第にプライベートなことの割合が多くなった。そしてその遣り取りは美希の手で途絶されることはなかった。
 次には、プロデューサーへのボディタッチやスキンシップが増えた。それは時にさりげなく、時にあからさまに場所と状況を変えて行われた。彼も最初は戸惑っていたが、今では諦めを以てそこまでは受け入れるようになっていた。
 斯くの如き感情の発露とアプローチを、アイドルの仕事の時間外に繰り返し、時間内には何事もないような顔を見せる。このアイドルの笑顔の奥底に、彼と小鳥との関係を引き裂かんと劃す心が潜んでいるのではないか、彼はそう思うと途端に美希が恐ろしくなった。
 彼女はアイドルである。星井美希というアイドルである。闇は見せぬ。それはアイドルだからだ。彼女は絶対の光でなければならぬ。彼女自身そのことを自覚し、絶対の光として振舞っている。
 だが、その肺腑の内には黒き血が通っているのではないか。
 恐ろしい。
 それは女の恐ろしさだ。
 女は実に自由に仮面を被る。それでいて素顔を忘れることは無い。
 プロデューサーはここまで考えを至らせたとき、美希が悩みの種になった。考え過ぎを考慮に入れても、恐ろしさが拭えなかった。


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