過去ログ - 「子供ができた、って言ったらどうします?」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/06/16(土) 01:03:44.87 ID:BeVPOxrr0
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 ゲロゲロキッチンのディレクターは、意味の解らないオノマトペで注文をつけてくる。この日もそうであった。現場に到着したプロデューサーに会うと開口一番、ディレクターは相変らずの調子でプロデューサーにアイドルへの指示を出す。不思議なことに、あまり彼女たちに直接言うことはないらしい。
 プロデューサーは彼なりにディレクターの指示を汲み取り、アイドルたちが居る筈の楽屋に向かった。
 楽屋の前まで来た。扉をノック、後、どうぞー、と言う声が聞こえる。誰のものかは判然しないが、その醸す雰囲気は高槻やよいのそれに感ぜられた。
 扉を開けると、果たしてそこにはやよいと、菊地真と、萩原雪歩の三人が居た。それぞれ既に各チームの衣装に着替えていた。やよいがアマガエルさんチーム、真と雪歩がガマガエルさんチームだ。

「うっうー、プロデューサーです!」

 やよいは彼の姿を認めると、喜ばしげな声を上げた。

「あっ、こんにちは、プロデューサー!」
「こ、こんにちは」

 真、雪歩もそれぞれやよいに続くように顔を綻ばせた。

「待たせたな皆、千早は今どこに?」
「千早なら、ちょっと前に出て行きました。直ぐに戻ってくるとは思いますけどね」

 プロデューサーの問に真が答えた。
 彼には少し危惧するところがあった。
 如月千早は元来あまりバラエティ番組に出たがらない。今回の様にオファーを受けて、少々の条件付き――やよいとチームを組む――とはいえ、二つ返事でOKを出す方が珍しいのだ。近来は理解を示し、そういった番組への出演機会も増えてはいるが。
 プロデューサーが少し不安を抱いたすぐ後、後ろの扉が開いた。
 振り向けば千早が居る。

「あ、プロデューサー、来たんですね」

 その表情は笑顔、彼は少しホッとする。

「どこに行ってたんだ?」
「ちょっとトイレに…、流石に歌いには行ってないですよ」

 真面目な彼女には珍しく冗談を言った。プロデューサーは内心少し驚いた。



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