過去ログ - 「子供ができた、って言ったらどうします?」
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/08/28(火) 16:51:27.88 ID:rvZTwice0
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「ただいまー」

 765プロ事務所に美希が戻ってきた。今日は演者としての報告を済ませ、先のスケジュールを確認すればそれで彼女の仕事は終りである。

「おかえりなさい美希ちゃん」

 小鳥が美希に声をかけた。

「今日のお仕事はどうだった? 美希ちゃんのことだから、それはもうお客さんいっぱいだったでしょう」
「勿論なの! 皆喜んでくれたし、ハニーだって」

 美希は、ハニーだって、を強調して言葉を断った。小鳥の反応を待つ。

「プロデューサーさんがどうしたの?」

 小鳥は顔色一つ変えずに、美希に続きを促した。平生の事務員音無小鳥と何等変わる所はなかった。
 内心美希は面白くなかった。彼女なりに小鳥の胸中を忖度したが、その結果は全て望ましいものではなかった。きっと自分のことなど眼中にない、そう思わずには居られなかった。
 しかし美希はそれを決して表には出さぬようにした。決して出すまいとその瞬間自分に言い聞かせた。

「ミキのこと可愛いって言ってくれたの! 嘘じゃないよ?」

 再び彼女は小鳥の反応を待った、といっても数秒もかからなかったが。

「そう、良かったじゃない。まあ美希ちゃんはいつだって可愛いから当然ね」

 変化なし。それどころか、どこか余裕すら感じられる。

「うーん、張り合い無いの」

 美希は稍わざとらしく言ってソファに向かう。その背中に小鳥は言った。

「それにあの人はいつも正直だからね」

 この言葉に美希は小さな喜びを覚えたが、一方で些かの苛立ちも起った。その両方を押し[ピーーー]かのように、彼女は大儀そうにソファに横たわった。


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