過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ -SS速報VIP

過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ

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2: ◆Rf40X2USO7Yr[saga]
2012/06/16(土) 05:59:49.94 ID:pv1fJubAO

　ゆっくりと、意識がもどってきた。

背筋に触れる冷たく堅い感触と、無機質な辺りの空気に慣れないまま、しばらくの間、アタシはそこがどこなのか分からずにいた。自分が身を横たえていたカプセル状の機器に目を止めて、ようやくアタシは、この場所に連れて来られるまでのいきさつを徐々に思い出してきた。

「気がついたかい」

微かな機器のうなり以外には物音一つしない静けさを破って、その声が突然聞こえてきた。それと同時に、アタシの身体をベッドに固定していたロックが解除され、そのベッドを包み込むような形をしていたカプセル前面の透明なシェルターが開放された。

自由になった身体をベッドから起こすと、アタシは声の出所がどこかを探して、カプセルの外をきょろきょろと見回した。

「その様子だと、問題ないようだね」

いくぶん人間離れして聞こえるその声の主は、だが見つからないままだった。アタシは声の主が近くに居合わせているわけではなく、カプセルの右手に当たる、部屋の一方の壁全体を覆うほど巨大なスクリーンの向こう側から話しているのだと気がついた。

「君が今度見つかった研究素体の、キョウコ・サクラだね？なるほど、確かに君には素質があるみたいだね」

けれども遠く離れた会話の相手を映し出すべきはずのそのスクリーンは、今は乳白色の半透明に濁っていた。声の主はどうやらアタシに姿を見せるつもりがないらしい。それでいて、しゃべっている内容から察するに、こちらの様子はちゃんと見えていて、しっかりと観察しているようだった。

「自己紹介が遅れたね。僕はクインシー・ビアス（Quincy Bierce）。このプロジェクトの責任者さ。研究所の者からは、QBと呼ばれているよ」

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