過去ログ - 真「ここは……」やよい「……どこですかぁ?」
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(東海・関東)
[saga]
2012/10/03(水) 22:13:19.85 ID:W6Dfpu+AO
口調は淡々としているが、その中で老人は明確な敵意を剥き出しにしていた。
「このままお前達は、私に殺される」
冷たくとも明確な言葉が差し向けられ、真は息が詰まりそうになった。
脳裏には目の前で肉塊になった吉川や、引き裂かれた松本、頭が爆発した筑川の姿が、まざまざと蘇った。
死ぬ……死ぬ、自分もああなる?
こんなわけの分からない状況の中で、こんな得体の知れない者に人知れず殺されてしまうなんて、ついさっきまでそんなこと夢にも思っていなかった。
平然と明日が来て、学校に通いながら仕事をするものだと思っていた。
765プロに帰ってから、挨拶をして家に帰れば今日はそれで終われると思っていた。
それに、まだ17年しか、生きてないのに。
ようやくアイドルとしてまともに活動できるようになったのに。
自分にも、やよいにだって家族が待っているのに………
様々な思いが胸の内に渦巻き、不意に銃を握る手に力が入った。
「………いやだ」
小さな、小さな言葉が漏れた。
その声は小さな上に震えている、頼りないものだ。
だがそれを口に出した途端、真の中で何かが、プツン、と音をたてて切れた気がした。
「まだ、死にたくない……死にたくない」
語調は徐々に強まり、それに伴って怒りともつかぬ、得体の知れない興奮が身体の中から湧き上がった。
おもむろにやよいを背中から下ろし、ゆっくりと道路に寝かせる。
そして老人と改めて向き合い、銃を構えた。
「ボクだって……ボクだって、殺されるわけにはいかない!!」
そう言い放つち、真は老人を睨み付けた。
対する老人は相変わらずの無表情を携え、静かに見つめ返してきた。
そしてふと目を細め、
「……お前如きが、そっちの人間を守りながら私を殺せるのか?」
ごきっごきっ
言いながら、老人が鈍い音を慣らしながら首を動かした。
「お前∂よウな人間が?」
ごきごきっごきっ
「£めるナよ、人間」
首が伸び、老人の顔も変形していく。
キリン星人としての形態になりつつある老人の首の後ろと頭部には、獅子のような勇ましい銀髪が生えてきた。
今までのキリン星人とは明らかに違う、一線を画す風格。
しかしそれを前にしながらも、真の闘志は揺らぎすらしなかった。
「……ボクは戦う。やってみせる!!」
そう叫び、銃をキリン星人に向けて、トリガーを引いた。
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