過去ログ - 【Fate】慎二「何やってるんだ、ライダー!!」 44ワカ目【どう足掻いても絶望】
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442: ◆AEs9N/Moag[saga]
2012/06/22(金) 03:56:40.92 ID:xfKrkct9o
ほむら「……」


ほむらとて、アーチャーを簡単に脱落させることは出来ない。業腹ながらそのことは理解していた。

戦力は一人でも多いほうがいい。

そして、見立てが正しいのなら……衛宮切嗣はキャスターの討伐に協力せざるを得ない。

問題は、その後。

協力すると同時に、何かしらの楔を打ち込んでおきたい。そう考えた。

それには、如何なる行動にも優位性が必要なのだ。

セイバーとの不仲、それ自体は別に構わない。知られたところで、戦力に変化はない。

問題があるとするのは、衛宮切嗣がセイバーについてこちら以上の情報を持っている。そのことだ。

それ自体も、問題ではない。

だが、これから会話を続ける内ではその小さな綻びが、問題となる。

質問を限定されてしまったのだ――――『何故セイバーについて知っているか』。

とは言っても別に、そのことを問わずとも良い。

ただ、衛宮切嗣が十分に情報を把握している――その事実を確認できただけでも上々。


それとはまた他に、問題がある。

こちらの心中に育った疑念と、相手に付け入る余地を与えてしまったことである。

楔を打ち込もうとするのならば、常に優位に立っていないとならない。或いは、優位であると錯覚させなくてはならない。

疑念は――これは判り易いだろう。“この男は、どこまで知っているのだ”というもの。

情報収集に余念がない。それを理解出来ただけでも良好である。

だが、精神的には相手に若干の優位を与えてしまったのだ。疑念は消そうと思って消せるものではない。

場に、対等の空気を作ってしまった――――それこそが問題。

この先の戦いを円滑に進める為にも、相手を下に置かねばならない。

不用意に警戒させるのは得策ではないが、ある程度こちらの手札が見えない。こちらが計り知れないと思わせる方がいい場合もある。

その分、相手は情報収集や思考に余計なリソースをとらされる事となるのだ。

そして、未来視については調べても判ることではない。それこそ遠坂凛が拷問でもされない限り。

相手を追い詰めすぎるのは愚策。

だが、“自由にして”且つ“思考の泥沼に嵌める”というのは有効な手段。

“相手が強大なのかそうでないのか”、“相手が脅威なのか、それならどの程度なのか”――――など。

自由という、選択肢を幾らでも選び取れる状態での思考の泥濘は、最後に相手を制するものである。

精神的優位は、緩慢に作用する毒物。

ほむらは、そう考えていた。


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