過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」 -SS速報VIP

過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」

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246:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:21:52.01 ID:UFErTWDU0

　結界が消えると、魔女も少女の体も、跡形も無く消え去っていた。
「……どうしよう。どうすれば良いの？」
　自問自答する洋子だが、答えてくれる者は居ない。後味の悪い結末が、洋子の精神を虫食んでいた。溜まらず、洋子はその場に胃液を吐き出してしまった。
「知ってしまったね」

以下略

247:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:23:29.36 ID:UFErTWDU0

　夕方から、街は雨が降り始めていた。天気予報では、夜遅くまで激しく降るとの事。
　一旦自宅に帰った圭は、携帯電話で通話していた。相手は、洋子の母親だ。
「……そうですか。見かけたら、また電話します」
　通話を切ると、大きく溜息を吐き出した。洋子は、まだ帰宅していなかった様だ。

以下略

248:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:24:15.59 ID:UFErTWDU0

　圭が稲荷神社にたどり着いた。
「やっぱり、ここに居たね」
　圭の視線の先には、鳥居の下で、膝を抱えて座り込む洋子の姿だった。
「……圭ちゃん」

以下略

249:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:24:58.01 ID:UFErTWDU0

――私は……まだ死にたくないよ……。

　パン、と言う音と共に、洋子のソウルジェムが爆ぜた。
「……冗談だろ？」

以下略

250:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:26:19.36 ID:UFErTWDU0
６．もし許されるなら……この我儘を許してほしい

　圭は、自分自身の目を疑った。否、信じたくなかった。
「洋子から魔女が出てきた……？」
　呆然と見つめるしか出来ない。

以下略

251:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:27:26.11 ID:UFErTWDU0

　一人取り残された圭。雨粒が頬を流れ落ちる。
（……どうしろって……決まってるだろ。）
　悲壮感の漂う表情。自分がするべき事を、圭は決めていた。
　ジャリ、と地面を踏みつける音が聞こえた。

以下略

252:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:28:21.62 ID:UFErTWDU0

　結界を真っ直ぐに歩いていく。使い魔は出てこない。
「……洋子、今行くよ」
　最下層にたどり着く。待ち構えて居たのは、鎧を纏った人型の魔女。しかし、圭を見下ろすだけで、何もしてこない。
「……洋子。アタシが解るのか？」

以下略

253:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:29:05.46 ID:UFErTWDU0

　雨足が、ますます強くなっていた。
　傘の下で、仲間を信じて待つ知美と和。しかし、その結末は非情だった。
「……結界が消えていく!?」
　和の背筋に、冷たい汗が流れだす。

以下略

254:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:29:58.51 ID:UFErTWDU0

　二週間後。
　稲荷神社の鳥居の下に、和と知美は訪れた。
　洋子と圭の葬儀が終わり、警察の事情聴取の方もひと段落した所で、花を手向けに来たのだ。身元の解らない遺体の第一発見者であれば、警察で事情を聞かれるのも無理は無い話だ。
「……全く。あたし達まで、事情聴取されたんだぞ」

以下略

255:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/08(土) 17:30:57.22 ID:UFErTWDU0

　一人取り残されたキュウべえは、供えられた花束を、ジッと見つめていた。

（……一之瀬圭。君が最後の最後に一芝居を打ったお蔭で、彼女達は真実を知らないまま済んだ。全員が魔女になれば、大きなエネルギーを得られたのに、残念だよ……。
　結果論で言えば、君の判断は良かったのかも知れないね）

以下略

256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/08(土) 17:41:08.01 ID:UFErTWDU0

ＱＢ「激弾・紅孔雀は、残された二人により暫く存続していた」

ＱＢ「しかし、結成間もなく二人を失ったことは、残された二人に大きな影響を及ぼしていた」

以下略

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