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過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」

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272:都市伝説[saga　sage]
2013/03/31(日) 17:54:22.20 ID:6njxlwwu0

「？　まさか。当方の悪魔は完璧です。
　まあ流石に戦争の完全根絶とか、使っても目減りしないエネルギー源みつけてこいとかは無理でしょうが。
　その点は契約前にご説明した筈ですし」

「そんなこと言って、あの悪魔が何をしたか知ってるの！？」

　制服の少女が悪魔に願ったのは有りがちな願いだった。

　彼女には片想いしている少年がいた。その少年にはすでに恋人が居た。

　だから悪魔に頼んだのだ。『自分がその少年と付き合えるように』と。

　そして、その結果。

「あの悪魔、斉藤君の彼女を殺したのよ！？」

「斉藤君、というのがどなたかは存じませんが……なるほど、得心いたしました。
　大方、その斉藤何某と付き合いたいとでも願ったのでしょう？
　ならばやはり、当方の悪魔は完璧です。願いは完璧に叶えられています」

「なっ、何でそうなるのよ！？」

　聞き返してくる少女に、怪人はにっこりと笑って言い返した。

「だって、現在、斉藤何某はフリーなのでしょう？　フリーになったのでしょう？
　なら、貴女様にもチャンスがあるでは御座いませんか」

　悪魔は願いを叶えた。障害を取り除き、『少女がその少年と付き合えるように』した。

「……！？　う、そ。それが願いの叶え方なわけ！？」

「そこら辺は悪魔によって違いますが……でもまあ、今回のような願いなら大抵はそうなるのでは？
　……ああ。もしかして、悪魔に願えば不思議な力で斉藤何某が貴女様に心変わりするとでも思われていたので？
　いやあ無理ですよ。当方の悪魔は完璧ですが、基本的に力技でしか願いは叶えられないので」

「力、技――」

「これまでの事例ですと、そうですね。
　大金が欲しいと願えば銀行の金庫を破ってきますし、空を飛びたいと願えば契約者をビルから突き落としますし。
　ああ――服が欲しいと願われて追剥をした悪魔もいたような」

「そんなの聞いて無い！」

「聞かれませんでしたので。聞けば答えましたよ？
　実際、貴女様が契約前になさった質問には全て答えたでしょう？
　願いを全て叶え終わったら魂の一部を頂くこととか……まあ悪魔が奪っていくのが本当に魂かは当方の知るところではないのですが。
　さて、これで質問はお仕舞いですか？」

　ならばこれで失礼します、とでも言う風に制服の少女に向かって背中を向ける怪人。

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