過去ログ - 真「時をかけるボクら」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/06/21(木) 03:04:32.13 ID:WJc3nC3DO
容器の中から漂ってきたのは、甘く優しく、そしてどこか儚い香りだった。
そう、まるで雪歩のような……。

「あ…れ……?」

いつの間にかコンクリートに尻餅を突いている自分に気付き、何とか立ち上がろうとする。
だけど膝にはぜんぜん力が入らず、すぐにまぶたも重たくなってきた。

「ゆき……ほ?」

遠くなっていく意識の中、屋上に戻ってきた雪歩の姿が見えた。
ゆっくりとボクに歩み寄ってくる雪歩。

「真ちゃん……」

雪歩の手のひらがボクの頬に触れた。
そしていつものように、ボクに微笑みかけた雪歩。
その微笑みが、何故だかとても、悲しそうなものに思えた……。



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