79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 02:44:14.97 ID:4qmmSL/DO
「ところで、どうしたの真君?汗びっしょりだよ?」
……そう聞かれても、返答のしようがないよね。
「美希を助けるために時間を越えて、それから走った」
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 02:59:20.03 ID:4qmmSL/DO
車が見えなくなると、一気に全身の力が抜けた。
張り詰めていたものが切れたのか、膝にもまったく力が入らない。
ボクは路肩にへたり込み、走った大きく息を吐き出した。
美希を助けられたことへの安堵感と、未来を変えてしまったことへの恐怖感。
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 04:14:55.73 ID:4qmmSL/DO
「間に合ったんだね?」
ボクの前に立った雪歩が、微笑みながら言った。
軽く頷いてその問いかけに答える。
それからしばらくの間、ボクらは見つめ合った。
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 04:35:00.19 ID:4qmmSL/DO
「綺麗な夕焼けだね」
ベンチに座って空を見上げた雪歩が、なんだか名残惜しそうな口調でそう言った。
それからボクの方へ向き直り、ゆっくりと語り始めた。
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2012/07/20(金) 04:44:48.91 ID:qT5o/ZwRo
見てるぞ期待
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 05:18:01.06 ID:4qmmSL/DO
2876年。
それが雪歩の住む世界。
何度もの大きな戦争のせいで地上は荒れ果て、空気は汚れてしまった。
だからその時代の人たちは地上を捨て、地面の下で暮らしている。
85:>>83ありがとう。今回で一気に終わらせるつもりです[saga]
2012/07/20(金) 05:33:55.26 ID:4qmmSL/DO
雪歩が生まれる10年前。
科学者である雪歩のお父さんは、ある発見をした。
特定の品種のコスモスから抽出される液体に特殊な溶液を混ぜ合わせると、時間を飛び越えることができる、って。
その頃の地上はまだそれほど汚染されていなくて、コスモスも簡単に手に入れることができた。
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 05:43:06.42 ID:4qmmSL/DO
「最初はお父さんが時間を遡ってたんだけどね。いまは私のお仕事」
「どうして雪歩が?」
「お父さんには研究に集中して貰いたいから。それに……」
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 05:54:40.46 ID:4qmmSL/DO
再び真顔に戻った雪歩が話を続ける。
あるとき、雪歩のお父さんはこう考えた。
「時間を越えることが出来るのなら、空間も越えることも出来るのではないか」
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/20(金) 06:09:36.28 ID:4qmmSL/DO
「ねぇ真ちゃん?コスモスの語源、知ってる?」
「…何語?」
「ギリシャ語だよ」
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