過去ログ - セイバー「問おう、貴女が私のマスターか?」禁書目録「え?」
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30: ◆ecH57LqR9PZC[saga sage]
2012/06/24(日) 10:58:01.68 ID:xRRwkXia0
「マスター…………ご指示を」

彼女は迷いの無い瞳で私を見つめると、剣を構えるような仕草をしながらベランダの男に振り向いた。

「っ!」

相対した男は明らかに警戒を露にして、私に向けた気配が子供だましに思えるような凶悪な殺気をぶつけ出して来た。
私は、おしっこが漏れ出すのを感じながらそこを動けずにただ見ていた。
槍を構えて、少女を見つめる男。
見えない剣を構える仕草をしながら、男に相対する少女。
篭められた濃密な気配に気を失いそうになった瞬間。

「はぁ?! おい、何の話だ!? 退けって、おい! てめぇ!」

男は憤慨したように声を荒らげていた。
多分だけど、通信系の魔術により指示を受けているようだった。

「はぁ? 命呪って…………くそっ!」

「何のつもりだランサー!」

一気に殺気を消した男に、今度は少女が憤慨して睨みつけていた。
男は、少しだけ名残惜しそうに少女を見やると。

「俺だってやり合いたかったっつの、じゃーなセイバー、俺と会うまで負けんなよっ」

「なっ!? 貴様! 逃げる気か!!!」

あれだけ濃密な気配を出していた男はあっけなくベランダからその身を空に投げ出した。
少女、セイバーは後を追うようにベランダに駆け出したけれど。

「くっ……逃げられたか」

どうやら追跡は不可能らしく、セイバーは口惜しそうに歯噛みしていた。

「マスター、ご無事ですか?」

そして思い出したように私に近寄ってきた。
私の記憶はそこまでだった、気が抜けて意識がふわっと何処かに抜けてしまったみたいだった。



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