過去ログ - セイバー「問おう、貴女が私のマスターか?」禁書目録「え?」
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65: ◆ecH57LqR9PZC[sage saga]
2012/06/29(金) 13:06:15.39 ID:v5KVeKqN0
「へぇ………………」

短髪は小さく吐息だけのような言葉を呟いて、さっきまで忙しなくチョーカーに触れていた指を自分のスカートのポケットに向けた。
私の少し後ろでセイバーの鎧がカチャリと小さく音を立てて、短髪の隣のサーヴァントが両目を開いてつまらなそうに息を吐いた。

「マスター、今日は顔見せだけじゃなかったのか?」

「それ、変更よアーチャー…………」

「ふむ…………して、変更内容は?」

短髪は、ポケットから取り出した一軒してタバコみたいな細い棒をチョーカーの膨らみに押し当てた。
そして「しゅこん」と軽い音がすると同時に、彼女は「ぐっ!」と呻き、身体を折った。
だけど、そこまでになっても強い瞳を変えずに、彼女はアーチャーと呼んだ己のサーヴァントに命じる。

「こいつらを、あがぁああ!! ここで、ここでリタイアさせるわ!!」

「承知した…………投影開始(トレース・オン)」

胃液を吐きながら命ずる彼女に、サーヴァントは忠実に応える。
彼の呟きに合わせて、その両手には一対の双剣が握られた、主の命を果たす為に。
そして、その主は歯を食いしばり、そこから血を流し、全身の細胞の痛みに耐えながた血走った目で眼前の敵―――私達を見つめていた。

「あんたは、あんたはぁああああ!!!」

彼女の叫びは、既に人のものではなく。
見知ったはずの彼女の顔に、見知らぬ表情が上書きされ、私は無意識に一歩下がっていた。
何が彼女をそこまでさせているのか、それを知らぬ私には追いすがる恐怖に足を震わせるしか出来ない。
彼女は、なぜ聖杯を求めるのは、それは私の知らない決意――――――。
ここで、私の物語から一旦彼女、短髪、御坂美琴の物語に移し変えてみよう。
私の知らない彼女の物語へ――――――。


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