過去ログ - セイバー「問おう、貴女が私のマスターか?」禁書目録「え?」
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899: ◆ecH57LqR9PZC[saga]
2013/10/13(日) 14:17:32.60 ID:7u7vpxGs0
「……………………どういうつもり」

ほんの瞬きひとつ前まで絶大な力で猛威を振るっていた垣根提督は、その心臓を槍で貫かれあっさりと倒れた。
その槍の持ち主は―――。

「槍使いだけあって横槍が好きなの?」

―――ランサー、青いボディスーツを身を包んだ獣のような槍兵だった。
突如現れ風より速くこの戦いを終わらせた彼はつまらなそうな顔をして槍を肩にかけた。
もしかしたらこれは彼自身も不本意だったのかも知れないけれど、それはどうでも良い。

「基本骨子解明―――強化開始」

「ほー、強化魔術か」

所在不明、マスター不明のサーヴァントが現れたのだ、ここで仕留めない訳にはいかない。
さっきかきねに消し去られた強化魔術を再び肉体にかける。
軋みだす筋肉、削れていく骨の苦痛、歪む内臓、それらを乗り越え立ち上がり、構えた。

「おいおい、まさかやるってのかよお嬢ちゃん?」

もちろんそんなつもりはない。
呆れたように肩を竦める彼の前で、ただ構えるだけ。
それに対する彼の反応を見極める。
彼の目的が何なのか、どうしてここに来たのか、何故あのタイミングで割り込んだのかを。
もし聖杯戦争の勝利が目的ならば私もこの時点で殺されているハズ、もしくは私が殺されてから、かきねが油断した瞬間を狙うハズ。
それなのに彼は私が生きているタイミングで割り込み、そしてまだ殺そうとはしない。
つまり現時点でランサーに戦闘の意志はなく、目的はかきねの殺害だけ、なのだろうか。
と、そこまで考えたところで―――。

「あ、あ、あああ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

―――遠くから絶望を孕んだ声があがった。


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