過去ログ - セイバー「問おう、貴女が私のマスターか?」禁書目録「え?」
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995: ◆ecH57LqR9PZC[saga]
2014/04/13(日) 20:40:03.65 ID:VK7Y5fJq0
「インデックス…………指示を」

「……………………」

血を流し近づいてきたもとはるを前にセイバーは剣を構えた。
傷だらけの身体でも一瞬で彼を斬り殺すことは可能だろう。
だけど、私はその指示をしない。いや、出来ないと言うべきかも知れない。
このもとはるという男、とうまの友人で隣人で、それでいて魔術師。
魔術師でありながら科学の街に溶け込む、当たり前な人間としての資質を高く持っている彼。
その彼から今は威容は圧力を感じてしまっていた。
それは圧力と言うのが正しいのか、理解の出来ない感覚が行動を縛る。
このまま斬り殺してそれで話は済むのか?

「っ、口は動くか…………おいっ、嬢ちゃん! その男をさっさと殺しとけ! 碌なことになねーぞ!」

「ランサー…………」

思考を回していると、行動を縛られ槍を構えたまま動けないでいるランサーが叫んだ。
怒りの表情のまま令呪の縛りに抵抗しているのか身体を小刻みに震わせ、怒りをそのままにもとはるを殺せと。
そうしたら現在のマスターがいなくなり、彼は現界出来なくなるだろうに、そんなことは関係ないとばかりに。
きっと彼は聖杯に託す願いなんかないのだろう、彼はそういう戦士なんだろう。
その言葉を聞きながら考える、確かにこの場でもとはるを殺しておけば残るはバーサーカーのみだ。
そうなれば戦争は即時終結の兆しを見せる。
現在私もセイバーも傷を負っている、ランサー、バーサーカーの三竦みよりかバーサーカーのみ場合の方が休息も取り易い。
何より、このもとはると言う男、野放しにしていてきっと脅威になる、それだけはしっかりと理解出来ていた。
ならば殺すしかないだろう、と当然の様に友人だと認識していた相手を殺害することを決めた。
そのことに最早何も思わない、罪悪感も後悔も何もない、本当に何もないんだ、殺すと言うことが当然に行為になっていた。
願望の邪魔になる以上殺すことは当然のこと、仕方ないという言い訳すらしない。
それほどまでに深く深く深く私の中に黒い物が染み込んでしまっていた。

「インデックス、聖杯戦争に巻き込んじまって悪かったにゃー、かみやんにも悪いことしちまったし」

「……………………とうま」

セイバーに指示を出そうとしたとき、いつもと変わらない、一緒に遊んだ頃そのままのもとはるの言葉が被さった。
そして、そこに含まれていた私の戦う理由に反応して目線をもとはるに向けた。


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