過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/24(日) 22:40:41.81 ID:mPrEAa4Zo
「うーん……。いや、違うか、うーん……」

 それまで何ごとか書き込んでいた紙をくしゃくしゃと丸め、そのままくずかごに放り込む。そんな律子の様子を見ていた女性が、柔らかな声をかけた。

「律子さん」
「あ、小鳥さん」

 律子が顔をあげた先に居るのは音無小鳥。765プロの事務員……いや、いまでは事務部門の総責任者だ。
 そうして彼女の姿を認めた途端、律子は違和感を覚えた。
 なぜ、フロアの灯りがほとんど消えているのだろう。

「守衛さんに連絡して、0時を回るまでは開けといてもらってありますから、その前に切り上げて帰るようにして下さいね」
「え? もうそんな時間ですか? うわ……」

 違和感の正体を小鳥が明かし、ようやく律子は時計を見上げた。
 もう十一時近い。

「はい。終電逃すと、ことですよ?」
「あ、はい。わかりました。あと一時間……」

 実際には一時間もない。企画書自体をまとめるのは家でやるにしても、アイデアはまとめておかなければいけないというのに。

「それと、チーフから伝言です」
「チーフから?」

 興味深げに見つめてくる律子にもったいぶって含み笑いを漏らしてから、小鳥は囁くように言った。

「失敗から学べ、ですって」
「失敗から、ですか……」
「はい」
「失敗から……? 失敗の分析は確かに重要だけど……」

 ぶつぶつと呟きながら思考に戻っていきそうな律子を、小鳥は呼び止める。


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