過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/07/01(日) 02:11:13.91 ID:PuuLvK0+o
「繰り返すが、君の金銭負担は減ることになるよ」
「765プロとしては……それでよろしいのでしょうか?」

 律子の視線が真っ直ぐに高木社長の瞳を射貫く。その真っ直ぐさを、社長は心地好く感じた。

「私は構わないよ」
「……わかりました。では、その方向でお願いします」
 きゅっと唇を噛みしめ、律子はそう言って頭を下げるのだった。





「律子の奴、なんであんなに念を押したんですかね? しかも、なんだか焦ってたみたいな」

 律子が退室していった後、チーフが首をひねる。彼は律子と社長の間にあった緊張感を感じ取ってはいたが、
その正体についてはまるでわかっていなかった。

「……さすがに駆け出しとはいえ、律子君のほうが経営センスはあるようだ」
「はい?」

 チーフはますます混乱する。社長はわずかに苦笑して、説明を始めた。

「会社というものが協力関係にある場合、個別の問題に関しては契約を交わすね?」
「はい」
「しかし、もっと大きく、緩い関係……普段から協力する、というような関係の場合、また別の状況を作る。法的にも強い裏付けがあるのが、
資本提携だね。株の持ち合いというのも、以前は流行ったものだ。そして、そこまでしない場合は、金銭的の貸借関係を結ぶのが通例だ」
「ええと……」

 彼の意識に話した事が染みいるのを待ち、社長は続ける。

「つまりは、876が我が765からの借入金を無くすと言うことは、お互いの協力関係を解消しようという意思表示なのだよ」
「な、大変じゃないですか」
「はは。そこまでのことじゃない。別に黒井のように敵対するつもりでもないだろうからね。おそらくは、紐付きではない、独立した体制を作って
……なにかをする予定なのだろう。自由に、ね」
「なにかを……ですか」

 そのなにかには当然に関わってくる人物がいる。
 二人は同じ名前を脳裏に浮かべ、そして、それを口に出すのを憚った。
 日高舞。

 『伝説』の名は、未だアイドル界に色濃い影響力を持っていた。


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