過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/07/14(土) 17:38:23.83 ID:5zWTHaLqo
第四話『“HELLO!!”』



「お疲れ様でした〜」

 微塵も疲れを感じさせない笑顔で何度もそう挨拶して、秋月涼は深夜のテレビ局を出た。
 マネージャーの運転する車が動き始めると、先程までの元気はどこへやら、涼はシートに深く身を沈め、長い息を吐く。
 生出演では年齢が若いからって帰されるのに、撮影ではそんなの気にもしない。芸能界っておかしなところだ。
 そんなことを考えながら、マネージャーが運転するのをなんとはなしに眺めやる。ダッシュボードに表示された時間は、もう0時を回りそうだった。

「あ、マネージャーさん。ラジオつけてもらえますか」

 時間を認識した途端、涼は身を乗り出し、焦り気味に声をかける。

「わかりました」

 マネージャーが指定された局へと合わせると、ちょうど、明るい音楽と共に番組が始まるところであった。

『上条春菜の、MEGADOL!!』

「よかった。間に合った」

 ぼそり、と呟く涼。その言葉にマネージャーは内心訝しむ。番組のパーソナリティはアイドルではあったが、涼、あるいは876メンバーが彼女と深い
関わりを持った記憶はない。
 番組で共演くらいはしていてもおかしくないが、それほどの親交はないはずだが……。

『えー、本来ここでオープニングトークなんですけど、今日はもうアタシ興奮しちゃってだめです。なんとですねー。正真正銘の大物ゲストさんが
来てるんですよー! あ、喋っちゃって下さい。ほら!』
『え、もう出ちゃって良いの? コーナーは後よ?』
『いやー、もう、せっかくブースに来てもらってるんですから、出てもらわないと! いいですよね。……スタッフさんもいいって!』
『も、もう〜』

「あれっ」
 マネージャーが仰天して思わずひっくり返った声を上げる。彼の驚きを裏付けるやりとりがラジオでは続いていた。


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