過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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(神奈川県)
[sage]
2012/06/22(金) 22:05:53.95 ID:FuSozdXdo
「はあっ!?」
今度こそ、腰が抜けるかという勢いで驚く律子。ぼすんと元の席に戻って、彼女はまじまじと彼の事を見た。
涼の言う舞さん――日高舞とはそれだけの驚きをもたらす存在であった。
「冗談……でしょ?」
「残念ながら。あ、でも、まだ内緒にしておいてもらわないと困るよ」
「そ、それは、もちろんだけど……。なんで、また?」
「いつもの気まぐれでしょう、と愛ちゃんは言ってたけどね。実際は、愛ちゃんがいるのと……まなみさんの古巣だからじゃないかな」
「まなみさんか……」
岡本まなみは現在は日高舞のマネージャーを勤めるが、元々は876プロのマネージャーであった。
そもそも、アイドルデビューしたいという涼を律子がまなみに紹介したことから、涼のアイドル生活――という名の受難――が始まったのだが、
それはこの際関係ない。
涼いわく、日高舞、日高愛という親娘が876に所属するとなれば、スタッフもしばらくはそちらにかかりきりになる。
尾崎玲子というプロデューサーのついている水谷絵理はともかく、自分に対しての比重は落ちるかもしれない、と。
「いや、あんた売れっ子なんだから、そう簡単には……。でも、それだけじゃなさそうね」
「さすが、律子姉ちゃん」
涼はそこで居住まいを正し、律子を真っ直ぐに見た。
あ、舞台の上の顔だ、と彼女は思った。幾多のファンを魅了するときの、真剣な顔つき。
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