過去ログ - 1000通目の悪夢
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16: ◆aSQx.z3IE/pB[sage]
2012/06/25(月) 04:04:16.20 ID:613oMAse0

「本当か?」

思わず、歓喜の声をあげる。
不味いな、機嫌を損ねたかもしれないと思ったが彼女は相変わらず笑っている。

「ええ。 でもその代わり先輩も私の気持ち考えてください」
「先輩、後輩の間柄……いや、友達としての付き合いならしても良い」

それが俺に出来る最大限の譲歩だった。
だが、彼女は不服そうな顔で俺に詰め寄る。

「何言ってるんですか。 私は先輩と恋人になりたいんですよ?」

世間一般では可愛い顔に部類されているであろう女の子にこんな事を言われているというのに全く反応できない。
喜ばしくも無い、緊張でくちびるが乾く。
此処を切り抜けなければ俺は安心して家でも寝られないのだ。

「俺は、君とは恋人になれない」
「さっき、私の気持ちを考えてくれるって言いましたよね」
「君も、俺の気持ちを考えるって言っただろ」
「……」

彼女は拗ねた顔をして俯いたかと思うと一瞬で顔を上げる。
その顔にはもう拗ねた表情はひとかけらも残っていなくて、今まで見た中で一番爽やかな笑顔だった。
それでいて、今まで見た中で一番気持ち悪い笑顔だった。


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