63: ◆aSQx.z3IE/pB[sage]
2012/07/09(月) 20:45:44.59 ID:JnxqerF10
「仕方が無いですね……どうぞ、ストローさしたので」
「あ、ありがとう」
何で俺が謝っているんだろうと頭の片隅で疑問に思いつつストローに口をつける。
零れた黒い唾液がストローを伝っている。
「なんだこのストローから黒い……」
そこでふと黒い唾液という違和感に気がついた俺はまじまじとその黒い液体を見る。
どうもそれはやっぱり俺の口から垂れているようだ。
「俺!? これ俺の口から垂れてんの!? ……え。俺の顔今どうなってんの?」
少しだけ考えた後目の前の彼女は言う。
「今の先輩は最高に素敵ですよ」
「いや、具体的にどうなってんの?」
さっきより更に少しだけ眉を下げて困り顔になりながら彼女はポケットに手を入れると可愛らしいデザインの正方形を取り出した。
コンパクトミラーらしきそれを開くと俺に向ける。
「鏡みます? はい」
その鏡の中に顔が真っ黒な俺がいた。
「……なんだこれ! 俺の顔が黒く塗りつぶされてんじゃねーか!」
「はい。 いけませんでした?」
悪びれた様子も無く彼女は言う。
俺はなんだか疲れてしまって、溜息を吐いた。
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