8: ◆aSQx.z3IE/pB[saga]
2012/06/25(月) 02:01:02.46 ID:613oMAse0
「…………」
何だこれ。
失敗にしても焼きすぎだし、他の弁当に入ってるのは普通に見えるのに何でこれをチョイスするんだ。
「先輩、折角作ったんだから食べてください」
「…………これ、何?」
「ハンバーグです。 病気になっちゃいけないなと思ってよく焼きました」
「あーん」
「ぐっ…………っ」
こんなに焦げているのに割と肉は柔らかい。
食べた事の無い味だ、不味い。
「……おっ、ぇ」
喉に流し込む事は出来ず俺が咀嚼してぐちゃぐちゃになった肉は彼女の顔に落ちた。
「そんなに美味しくなかったですか?」
それを拭く事もせずに悲しそうに 問いかけてくる。
きっとここで普通ならそんな事無いよと声を掛けてあげるべきなのだろう。
「……凄く、まずい」
俺は正直に答えた。
「困りましたね。 まだ沢山有るのに……」
あんまり困って無さそうな顔の彼女を見ながらふ、と疑問が沸く。
「家に、そんなに沢山肉無かったよね」
「隣の家のですよ」
何で隣の家の肉を使ってるんだ。
と思ったがまさかの可能性を提示してみる。
「隣の……? 隣……まさか、隣に住んでるのか?」
「えぇ これからよろしくおねがいしますねせんぱい そろそろおそいしかえります
あしたもてづくりべんとうもってきますね じゃああしたがっこうで」
何て言っていたのかは余り覚えてない。
彼女が気持ちの悪い笑みを浮かべて玄関から出た直後、折角ご馳走された夕飯を全部出した事は覚えてる。
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