過去ログ - 零児「……東方新世界」　霊夢「第二章、ね」 -SS速報VIP

過去ログ - 零児「……東方新世界」　霊夢「第二章、ね」

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509: ◆NamCapMdYU[saga]
2013/05/21(火) 06:00:00.63 ID:YpwvYnkro

「……けど、そうよね。私もだいぶ酔っているわよね」ｹﾗｹﾗ

「でも、これぐらい楽しまなくっちゃ。零児さんのお仲間さんの話を肴に、ね」ﾆｯｺﾘ

「……ふっ。それなら仕方がないかもな」

「ふふふっ」

「……霊夢。頼みたいことがある」

「……なぁに、零児さん？」

「俺たちが帰るまでに、クロスゲートの問題を片付けられなかった場合の話なんだが」

「……」

「その時はどうしても、お前さんたちに処置を任せることになってしまう。……それを、頼まれてくれるか？」

　どこまでもまじめで、それでも不器用で素直じゃないエージェント。
　どこまでも気まぐれで、それでも器用で素直な楽園の素敵な巫女。

「いまさらよ、零児さん。私がそれを、拒否する理由はないわ」ﾆｺｯ

「……そいつは、失礼なことを言ったな」ﾌｯ

「さっきから何度もだけどね。シャオムゥのいったとおり、やっぱり女の子の気持ちがわからないのかしら」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

「そういうのは、自分で言うことじゃないだろう。……っと、しまったな」

「もぅ。……でも、帰れるのは素直に喜ぶべきじゃないかしら」

「……そう、なのかもしれんな。この世界から、外に出ることを。……」

「不安なの？」

「不安じゃぁない。ただ、出来ればすべて解決して、この世界を守りたい。……そう、考えてしまうんだ」

「それならきっと、大丈夫よ」

「……？」

「零児さんなら、きっと守りきってくれる」

「……それは、『勘』なのか？」

「ううん。そう、信じているの」

「……そいつは重畳」

　それが中和されたかのごとく、お互いにやわらかくなって。
　互いに支えあえる形になって。

「それを聞いて、少し気が楽になった。……ありがとう、霊夢」

「どういたしまして」ﾆｺｯ

「それじゃぁ、俺は中に戻る」

「私はもう少しだけここで、さっきの話の余韻に浸るわ」

「風邪にだけ、気をつけてな」　　　　ｷﾞｯ

「……」

「……やっぱり、懐かしい。零児さんといると……あの頃を思い出す」

「……」
　　　とと　かか
「……父様。母様。私……」ｷﾞｭｯ

　在りし日を、思い出して。
　少女の心が、奇想から脱却する。

………………

…………

……

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