過去ログ - 【Fate】慎二「何やってるんだ、ライダー!!」 46ワカ目【難易度:虚淵】
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698: ◆AEs9N/Moag[saga]
2012/06/30(土) 20:01:24.06 ID:7R5uunxGo
【エピローグ】

 ――――死者666名。


 それが、第五次聖杯戦争による被害者の最終的な総数だった。

 街に残った傷跡は、大きい。

 当初の誓い通り、家族を取り戻せた。

 その事は勿論衛宮士郎にとって、この上なく喜ばしい事である。

 元よりこの身はその為に特化した魔術師であったのだ。


 「家族が皆、幸せに暮らせたらいいのにね」――――。


 ある日、月を見上げながら衛宮切嗣が零した一言であった。

 それから、衛宮士郎の行動原理は決定された。

 自分がそれまでの家族を失い――記憶にもないが――新しい家族を得た。その事への、負い目があったのもまた事実だろう。

 そして、自分を引き取った男が本来暮らすべき家族と暮らせていない事にも、一因がある。


 衛宮切嗣は、沙条愛歌から呪いを受けていた。

 それがイリヤスフィールを単身救出できない理由であり、衛宮士郎が今のような技術を会得した経緯である。

 最後まで切嗣は迷っていたが、最終的に士郎本人が言い出した。

 それから、ただ只管にその為だけに生きてきた。

 ただ、それとは別に……友人もいたし、学校にも通っていた。

 どうやら、後から聞いた話なのだが――――士郎自身に技術を仕込みながら、やはりイリヤの奪還を諦めている節があったらしい。

 その為、いつでも士郎が日常生活に戻れるように……と、二輪を用意していたそうだ。

 当然、聞いたときは怒った。それはもう、凄く。

 まあ結局、イリヤスフィールを助け出す事はできたので、良しとしたい。

 イリヤに見取られる切嗣はもっと長く暮らせない事を残念がってもあり、生きている間に再開できた事を嬉しがってもいた。

 その顔だけで、報われる気がした。


 ただし結局、聖杯戦争で士郎は碌に役に立たなかったのだ。そのあたりは、自分自身情けなくも思う。

 切嗣だけでも、不可能であった。

 最大の助力となったのは、間桐慎二。学生として暮らす士郎の、友人だ。

 切嗣も、「彼には悪い事をした」と悔いていた。それに懲りたのかは知らないが、一人で抱えこまなくなった事はありがたい。


(本当、お前には――――色々、借りができちゃったな)


 今はここにいない友人を思いながら、墓に手を合わせる。





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