20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]
2012/06/30(土) 23:05:01.19 ID:6+G33VjK0
さて、この簡素で平凡な思春期男児の狭い部屋に、少し不釣り合いな奴がいた。
そいつは、俺が入れてきたオレンジジュースを飲んでいた。
小柄、華奢、童顔、色白、さらさらヘアー、くりっとした目、長いまつ毛。
女の子か?いや、いや違う。
だが女の子だったら嬉しいな。たまにそう思う。
「んぐ…、喉乾いてたから、飲みきっちゃた。」
そいつは、まだ声変わりしてないような声でそう言って空のコップを置いた。
「まぁ、今日は結構熱かったからな…。」
俺も自分で入れた分のオレンジジュースを飲む。
そいつというのは、俺の中学時代からの旧友で、男だ。
男だと思ってみれば男に見えるし、女だと思えば女に見える。
しかし、今は制服だから、思わなくても男には見える。
「今日はお邪魔してごめんね。あと、手伝わせることになっちゃって…。」
旧友は頭を撫でるように掻きながら軽く笑った。
「別にいいぜ、俺は、直接台本製作を手伝う気はないしな。
あれだろ?編集者みたいに、書けた分をいやらしくチェックする
仕事すりゃいいんだろ?」
俺がオレンジジュースを半分くらい飲んでからそう言うと、
旧友は驚いたような顔を見せた。
「え、やってほしいこと分かってたんだ…。」
まぁ、付き合い短くないしな、と思いつつ口には出さない。
旧友が続けて言う。
「あ〜…、でも今日はアイデアを借りたいかな…。方向性というか、舞台受け、高校生受けがいいような、テーマとか題材とか…。」
窓からの日差しの光に頼って、電気をつけていない部屋で
俺はうーんと唸った。
「方向性…、舞台・高校生受けね…。」
唸りながら、ない頭を絞って考えた。
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