2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/06/28(木) 05:02:02.85 ID:EJ9MWvt0o
何人目の死体か忘れたけれど、路地裏の暗闇の中に転がった男の人は確かな死体でした。
繁華街を歩いていた私に声を掛けた人。馴れ馴れしく肩を抱いた人。
もう何も言わない人。
軽薄に笑っていた表情が凍り付いた時には、私のナイフはまくれたシャツの内側で腸を抉って、
次の瞬間には体重を乗せた踏み込みと共に血飛沫が宙に飛び散りました。
大きく一歩を飛び退いて、膝から崩れ落ちたその人が絶叫を上げる寸前に喉を突きました。
声はありませんでした。
ただ、何もわからないまま、その人は小さく呻いて、泣きそうに笑って倒れました。
その人が想ったことなんて、私はひと欠片も知りません。知ろうとも思いません。
それでも。あの時浮かべた表情だけは嘘偽りない真実で、本物のあの人だったのだと思います。
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