26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/04(水) 02:13:21.73 ID:3etriJah0
女と出かけるのはそう久々ではない。
時期によって頻度はまちまちだが、町に出れば昔何らかの付き合いがあった女なんてそこら中にいる。
隣を歩くゼシカは、昨日とは別のシャツの上からクリーム色のカーディガンを羽織っていた。スカートは膝より少し上ぐらい。
「ねえ、お金どれくらいあるの?」
「たからないでくれ……そんなにないから、高級店とかは期待しないでくれよ」
「じゃああそこにしましょう」
そう言ってゼシカが指差したのは、古ぼけた定食屋だった。
ナメられてないか、俺。
「さすがにそれは」
「お邪魔しまーす」
二の句を告げる前にさっさと入っていってしまった。
慌てて後を追う。
「アマター、なんか店員さんがいない」
「よし出よう」
中に入った瞬間に嫌な予感がした。ここから一刻も早く出なければならないと。
「お、何だ客か」
「えっ」
「あ?」
俺がそそくさと扉に手をかけた瞬間、奥から声が聞こえた。ついでゼシカの呆然とした声。
恐る恐る振り向く。
「お前……何で、ドン底女と」
「…………」
フリフリのエプロンを身につけそこにいたのは、かつての俺の片割れだった。
【続く】
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