過去ログ - 真「着せ替え人形の」涼「シンドローム」
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1: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:10:11.68 ID:qfyW+/ZQ0
アイドル。華やかに聞こえるけど、その実かなり難儀なお仕事。
きらめくステージで自由に振る舞える人間は一握りで、殆どは大人の事情に振り回される。
言ってしまえば自分じゃ何もできない、操られるまま踊るお人形さんだ。

個性を無視したデビュー、スポンサーの意向に合わせたキャラづくり。
1000人に聞いたら、999人ぐらいがそんな経験があると答えると思う。残りの1人は、特別なんだ。

そしてそれは、ボクも例外じゃない。

ファンが見ているのは、飾り棚に並ぶオブジェだ。
そしてそこに立っているのは、既に王子様の服を着させられたボク。

真「ボクは君が羨ましいよ」

涼「えっ、いきなり何ですか?」

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2: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:13:43.13 ID:qfyW+/ZQ0
とある休日、久しぶりに愛弟子と会う。

秋月涼。女の子アイドルから、男の子アイドルとして見事に転身した、奇跡の少年。

それだけ聞くと、性転換をしたのかと言われそうだから説明すると、
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/06/29(金) 22:15:03.36 ID:PhK1Ioa90
新作か
頑張ってくれ


4: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:16:04.36 ID:qfyW+/ZQ0
貴音はまだ良い、彼女は何をしても貴音だからで許されるから。

だけど、1回しか会ったことのない響に分かって、
師匠として鍛え上げたボクが気付かなかったのは、なんかムカつく。

以下略



5: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:17:56.92 ID:qfyW+/ZQ0
真『ロミオ〜ジュリはここよ〜んきゃるる〜ん』

涼『俺がお前を絶望の淵からレスキュー!』

真『やーん! 12時の鐘が鳴っちゃう〜! 家までダーッシュ!』
以下略



6: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:19:25.03 ID:JVFVEFs70
真「それでも、アイドルランクは変わらない。文句を言うファンも黙らせるぐらいの勢いじゃん」

正直言うと、今の涼を止める自信はない。師匠を超える日が遅かれ早かれ来ると思ってはいたけど、
こんなに早く来ちゃうなんて。

以下略



7: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:20:32.77 ID:qfyW+/ZQ0
真「そこまでのものでもないって。それに、君が羨ましいのは本当さ」

ボクに出来なかったことを、やってのけたんだから。憧れって言ってもいいさ。
だからこそ、涼に聞いて欲しかったんだ。

以下略



8: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:22:31.78 ID:JVFVEFs70
今思えば懐かしいな。
揉めただけなら良かったけど、それが尾を引いて、事務所やテレビ局に大きな損害を与えてしまった。
休止なんて綺麗なものでなく、その責任を取って、謹慎って言うのが事実だ。

まぁ頭を冷やしてきなさいって、休暇を貰ったともいえるけど。
以下略



9: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:23:37.61 ID:FVbGS9y30
真「だけど、世間が見ているボクは」

涼「真王子」

真「そういう事」
以下略



10: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:26:18.32 ID:eJ30HTQi0
真「勇気を出して一歩踏み出したら、案外上手くいくかもしれない。男性ファンも増えて、女性ファンもついてきてくれるって。そう、涼みたいに」

涼「真さんなら出来ます。ボクが保証します」

真「偉大なる先人様にそう言ってくれるのは嬉しいけどね」
以下略



11: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:26:54.18 ID:FVbGS9y30
真「上手くいくと思ったんだけどな……」

ふいに思い出す。あれは僕がIUを制覇した次の日の事だった。

P『やったぞ真! トップアイドルだ!』
以下略



12: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:30:13.91 ID:qfyW+/ZQ0
この人は誰にでもこんな感じなので、今の一言でコロッと恋に落ちた……、
なんてことはなかったけど、ドキッとしたのは事実。

にしても、ニンジンを目の前に釣らされた馬みたいな扱いだよなぁ。

以下略



13: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:31:29.69 ID:FVbGS9y30
社長『それは……、君のアイドルとしての価値を下げてしまうことになる』

真『そんなっ!』

普段はボクたちの自主性に任せてくれるのに、この時に限って、
以下略



14: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:32:42.41 ID:JVFVEFs70
社長『もし、方向転換をしたのなら、間違いなく今までのファンは減るだろう。それも、先の秋月君の比じゃないぐらいに』

真『そんな……っ!』

分かってはいた。涼の場合が、特殊すぎたってことぐらい。
以下略



15: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:33:44.86 ID:JVFVEFs70
P『真……』

社長『そう捉えてもらって構わない。ファンの皆は、君に完璧な王子様像を求めている。それは、君が彼女たちの理想を具現化した存在なのだからね』

人よりダンスが上手くて、人より度胸がある、そんな女の子。
以下略



16: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:36:01.92 ID:JVFVEFs70
真「切られたカードで勝負するしかない、か」

白い犬のお話を思い出す。あんな可愛らしい外見から、
よくもまぁあそこまで渋いセリフが出るもんだと感心したっけ。

以下略



17: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:38:02.28 ID:JVFVEFs70
社長『しかしだ。評価を下すのはファンだが、方向転換をするのは君だ。やってみないと分からないこともある』

社長『もし、君が考え抜いて、王子様の仮面を捨てるというのなら、その時は私も力を貸そう。だから……、少し考えたまえ』

真『分かりました……』
以下略



18: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:39:30.66 ID:JVFVEFs70
涼「プロデューサーさんは、何って言ってるんですか?」

真「プロデューサーは僕の味方さ」

それもかなり力強い味方。
以下略



19: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:40:20.13 ID:JVFVEFs70
真「ねえ、涼。この後も暇?」

涼「えっと、はい。暇ですけど」

真「じゃあさ、遊びに行かない? なんかさ、色々ストレスたまってて。そろそろガス抜きしないと爆発しそうなんだ」
以下略



20: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:41:37.26 ID:JVFVEFs70
真「店員さんは」

涼「はい」

真「ボクらがアイドルなんて気付いてないよね」
以下略



21: ◆dj46uVZbVI[saga]
2012/06/29(金) 22:42:24.84 ID:JVFVEFs70
涼「えっと、じゃあこれで」

涼は慣れた手つきで、入力していく。

真「久しぶりって言う割に、手慣れてるね」
以下略



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