過去ログ - うたわれるゴロー 〜孤独な男のグルメ旅〜
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2012/07/04(水) 20:50:33.09 ID:QKl2rcxSO
――
深夜、誰かの物音と話し声で目が覚めた。
ハクオロとエルルゥさんがひそひそと話をしている。
エルルゥ「おば……ゃんが…い…くなっ…」オロオロ
ハクオロ「わ…っ…。自分…見て……う」ダッ
家を出ていくハクオロ。
俺もその様子から飛び起きて後を追うことにする。
エルルゥ「あ……」
タッタッ…
ゴロー(一体どこに……?)キョロキョロ
周辺を見回すと、トゥスクルさんを乗せたウォプタル
( ※この世界の馬。見た目は中型の恐竜)の後ろ姿が確認出来た。
ゴロー「……誘拐か」
このヤマユラの村長を誘拐する意味はよくわからんが……
後をつけてトゥスクルさんを奪還しなくてはな。
…………
黒い外套(アペリュ)を纏った男がポツリと呟く。
「……尾(つ)けられているな」
「はい。若様、どうなさいますか?」
答えるのは若き弓使い。この外套の男の家来と言える存在だ。
白い服がこの月光を反射し、よく映える。
男性なのか女性なのか解らない容貌であった。
「……尾行しているのは二名。先行するのは仮面の男。
その後ろに中年の男だそうです」
……報告は続いた。より詳しい情報がもたらされていく。
外套の男は少し考え
「……この先の道で待ち伏せるか」
……結を出す。
―― その人はこのまま先に行かせろ。俺達は尾行者をくい止める ――
合図を先行する仲間に送り、外套の男と家来は停止した。
「俺は前の仮面をやる。後ろの中年は任せた」
外套の男はそう言い放ち、森と夜 二つの暗闇に身を溶かす。
「はっ。若様、御武運を」
白い弓師も森の中に消える。
今 ここに獲物を狙うケモノ達が潜み、敵の到着を待つ……
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