過去ログ - うたわれるゴロー 〜孤独な男のグルメ旅〜
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775: ◆M6R0eWkIpk[sage saga]
2012/09/21(金) 13:25:19.46 ID:fkM3gXo70

第二十二話 「遺された事実」


 〜 クンネカムン・??? 〜


 オンカミヤムカイへクーヤさんが旅立った翌日、
 俺はゲンジマルさんに連れられて開陽殿の東の半島
 ……かつて『能登半島』と言われた地にやって来ていた。


ゴロー「随分、海岸線を歩きますね」ザッザッ

ゲンジマル「この近辺には道行く者を迷わせる結界が御座います故、
       某から離れずお進み下され」ザッザッ


 やけに大層な防御じゃないか。


ゴロー「箱庭とやらはそれだけ重要な場所なんですか?」

ゲンジマル「……かの地の術を世に広める程、
       我等の文化は成熟しておらぬのです」


ゴロー「いったい何なんです? 何があるって言うんです」

    「貴方のようなエヴェンクルガの武士が仕える皇を離れ、
     俺をそこに連れて行くだけの場所なんですか……」


ゲンジマル「某は…あの國、クンネカムンの目付に過ぎぬのです」

ゴロー「……クーヤさんに仕えていないと言うんですか。監視しているだけと」

ゲンジ「……そこまでは言いませぬが。……着きまする」ザッ


 俺達の目の前には、侵入者を寄せつけぬかのように壁が立ち憚っていた。
 その壁をよく見ると、隅に人ひとり程のトンネルが掘られている。


ゴロー「この穴を進むわけか……」


 トンネルに入り、ゲンジマルさんの後についた。
 徐々に暗くなる通路内。俺達は発光石をかざして歩を進めていく。

 距離があるな… 疲れてきた。


ゲンジマル「先程の穴は特定の者にしか見えぬよう、
       法術をかけられております」ザクザク

ゴロー「へ? 俺に見えてましたよ?」

ゲンジマル「至極当然。なにせこの地は……抜けますぞ」


 ようやく出口の光が目に入る。
 目を慣らしながら前に足を運ぶと――


村長「お待ちしておりました。ゴロー様」ペコリ

村人達「「「我等の祖、大いなる父。お帰りなさいませ」」」



ゴロー「…………えっ?」


ゲンジマル「ようこそ、我等が守りし箱庭へ。
       ここが貴殿の願いの地で御座います」




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