過去ログ - うたわれるゴロー 〜孤独な男のグルメ旅〜
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889:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/10/04(木) 22:11:01.23 ID:9vC2iN/SO

ゲンジマル「橋に異変は見られぬ…か」


老体の武人は橋を越え、岩床に足を着けた。


ゲンジマル「この十間(約20メートル)先に…………」



 『…………待っておりました。大老(タゥロ)』


ハクオロ「上だっ!」


ゲンジマルの上方、噴煙に紛れて見えない岩壁から――


 ズゴォォォオン!


ヒエン『……これより先は通す訳には行きませぬ』


クンネカムンの左大将『ヒエン』の蒼青のアヴ・カムゥが立ち塞がる。


ゲンジマル「やはり其方が来たか、ヒエン」

ヒエン『自分以外、貴方を止められる者が他におりましょうか』


敵は血を分けた孫。だが老武士の眼光は鈍らない。
老若の武士(もののふ)が相対する。


ゲンジマル「退いてはくれぬのだな」

ヒエン『退けませぬ』

    『相手が貴方だからこそ、退くわけにはいかない』


ゲンジマル「武士としては其の心、判る。だが…祖父としては……」


珍しく言葉を濁すゲンジマル。


ゲンジマル「……破滅の道を歩むクンネカムンを見過ごすつもりか」

ヒエン『破滅ではありませぬ。全土は我等クンネカムンに平定され、
     初めて真の理想郷が築かれるのでありまする』


ゲンジ「まだ世迷い言を信じているか!」

    「他者を従属させての平定など、理想郷とは言えぬ!」


ヒエン『従属ではありませぬ。共存であります』

ゲンジマル「誰がそれを理想郷と認める。
       従属させられる側はその戯言を認めはすまい」


ゲンジ「強者が弱者を支配する。過去幾度となく行われてきたヒトの業」

     「だがそれを認めず理想郷と宣(のたま)い、孤立する者に明日など有り得ぬ!」



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