過去ログ - うたわれるゴロー 〜孤独な男のグルメ旅〜
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[saga sage]
2012/10/04(木) 23:03:49.75 ID:9vC2iN/SO
ヒエン『……それでもっ』
サクヤ『お兄ちゃん! お兄ちゃんの名前の由来を思い出して!』
ヒエン『……? 某の名の由来?』
サクヤ『おじいちゃん、言ってないの!?』
ゲンジマル「……そうか、あの時喋ったのはヒエンでなくサクヤだったか」
ヒエン『どういう意味でありますか! サクヤ・大老!!』
ストン
ゴロー「私が教えますか。ゲンさん」
俺はアベル・カムルから降り、もう一つの家族に対峙する。
ゲンジマル「いえ、これは某の口から言わねばなりますまいて」
スタスタ…
ゲンジマル「ヒエン、其方の名に込めた意を教えようぞ」
「ヒエンのヒは『火』、エンは『怨恨』のエン。」
ゲンジマル「某が……戦の火を嫌い、怨むという思いを託し、名付けたのだ」
ヒエン『!!』
まぁ、驚くよな。武士のゲンさんがそんな意味を含ませるなんて。
ヒエン『な、なぜ! 貴方のような武人がそんな……』
ゲンジ「……其方と似たようなもの。孫を持つ歳になり、変わったのだ
罪にまみれた某の手と違い、平和に日々を過ごして欲しいと……」
ゲンジマル「音だけではあるが、この言葉を使うことにした」
ゲンジ「だが、國々の戦は尽きず、其方のような若人も巻き込んでしまった」
「旧き約束に、今を生きる者達を付き合わせてはならぬというのに」
ヒエン『……じ、自分は、そんな……』
ゲンジ「ヒエン。……もうよい、この老身のかつて見た夢を追うでない」
「理想郷とは……曇った瞳では見つけられぬ」
ゲンジマル「身近にあるものなのだ……」
ガシャン!
ヒエン『…………』
頑なだった掌中から大剣が離れる。
ヒエン『……某の敗北だ』
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