15:S・エルロイ
2012/06/30(土) 22:23:37.17 ID:n3CjMYIK0
ハンモックから身を起こし、キリコは揺りかごで眠る赤ん坊を見た。ハンモックから降りる。
それから赤子を起こさぬように、キリコは椅子にかかった耐圧服を静かに着た。
埃で汚れた窓から、黄金色に輝く太陽の陽射しがまばゆいている。キリコは軽い眩暈を覚えた。
安普請な作りの宿屋の階段をおりて、食堂にいく。
キリコより一足先に、食堂のテーブルに座っていたコブラが、野菜と合成肉を挟んだサンドイッチを頬張っていた。
温くなったコーヒーを一息に飲み干すと、コブラがコーヒーのお替わりを頼む。
キリコはコブラと同じメニューを頼んだ。
「おはよう、コブラ。今日も調子が良さそうだな」
「ああ、絶好調さ。なんせ、朝起きて鏡を覗くたびに、この顔に益々磨きがかかってるんだからな。
いや、ハンサムになっていくのも大変だぜ。もてない男どもが嫉妬するからな」
ウェイターが、ペッパータオルで包んだサンドイッチをコーヒーを一緒に運んできた。
「昨日の夜はバトリング会場で、随分と派手に暴れたようだな」
「ありゃ、俺が暴れたんじゃない。俺の乗ったスコープドッグが勝手に暴れたのさ」
コブラが減らず口を叩きながら、葉巻に火をつけて、食後の一服を楽しむ。
キリコはサンドイッチを一口齧った。
齧った合成肉の味は、香辛料と調味料が利きすぎて、やけに塩辛かった。
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