過去ログ - キリコとコブラでむせる
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19:S・エルロイ
2012/06/30(土) 22:28:31.99 ID:n3CjMYIK0
 「コブラに三千ギルダンだっ!」
 「サラマンダーに五千ギルダンっ!」
 「こっちはコブラに八千ギルダンだっ!」
 「俺はサラマンダーに全財産賭けるぞっ!」
 「それなら俺もコブラに全財産賭けてやるぜっ!」

 観客達とは対照的に、コブラは落ち着いていた。サラマンダーを前に微動だにせず、葉巻を咥える。
 ──驚いたな。あの時の奴か。
 サラマンダーがコブラの問いかけに返した。
 ──何故、海賊の貴様がボトムズ乗りなどしてるんだ。
 ──ほう、驚いた。俺を知ってる奴がいたとはな。

 ──貴様の事はクリスタルボーイから聞いた。宇宙最高の賞金首、海賊コブラっ、それが貴様の正体だっ!
 カン・ユーの言葉に、コブラが驚愕の表情を浮かべる。
 ──クリスタルボーイだってっ?!、奴がここにいるのかッッ
 ──ああ、そうだ。今頃はお前の相棒のキリコと遊んでいるはずだ。
 ──くそっ、キリコっっ!

 コブラの乗ったスコープドッグが、猛烈な勢いでゲートまで戻ろうとする。
 ──コブラッ、貴様の相手はこの俺だぁッッ!
 カン・ユーがロケットランチャーのトリガーを引いた。



 
 三人の男達が待合室にいた。シャッコに座られたスチール製の椅子が、ギイッと重苦しい悲鳴をあげた。
 「シャッコ、お前も惑星アルディーンに来ていたのか」

 「赤ん坊の事も、お前の事も気になった。お前の泊まっている宿の親父に聞いたら、ここにいると言われた」
 待合室に壁に背中をもたれかけながら、メロウリンク・アリティーがふたりを遠巻きに眺める。
 「そうだ、キリコ、紹介しよう。途中で知り合ったメロウリンクだ」

 メロウリンクが壁から身を起こす。
 「メロウリンク・アリティーだ。第十八メルキア方面軍プランバンドール機甲大隊シュエップスにいた」
 「キリコ・キュービィーだ」
 ふたりは簡潔に自己紹介の言葉を交わした。音もなく、待合室のドアを黒いフードを被った影法師が通った。
 「キリコ・キュービィーか」
 
 ドアの前で佇む影法師がキリコに問いかける。一切の感情を排した底冷えするような無機質な声だ。
 影法師の周りの空気だけが違う。異様であり、異質だった。
 シャッコとメロウリンクが身構える。

 無言のキリコ──影法師が跳躍し、キリコに躍り掛かった。
 風を切り裂く鋭い音──タイルに転がり、キリコは寸前でかわした。
 金色の鋭い鉤爪が三人の瞳に映る。影法師が外套を脱ぎ捨てた。

 黄金色の超合金でできた骨格を包み込むライブクリスタルの身体──クリスタルボーイの特殊偏光ガラスが光に反射した。
 「新たなネクスタントか」
 「冥土の土産に教えておいてやろう。俺の名はクリスタルボーイ、海賊ギルドの殺し屋だ」






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