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2012/07/15(日) 10:00:41.91 ID:++NAcGky0
地元の体育館 外
栗生「絢辻さんこんな所に何の用があるのかしら?」
紗也加「私があの日、犬に襲われる前に寄った体育館であったことをここで働いてる人に聞くって言ってたけど」
栗生「なら紗也加に聞けばいい話じゃない。同じ体育館に居たんだから」
紗也加「私が知ってる以外のことがないか確認するんだって。確かに自主練中は周りを特に見てなかったから」
栗生「犬とこの体育館がどう関係するのかしら? まあ、それはさておいて…」
森島「わんちゃんお手」
犬「ワン!」ポン
紗也加「…どんな野良犬でも手懐けさせることが出来るって噂は聞いてたけど…」
栗生「さっきまで襲いかかった様子とはエライ違いねえ。見た目も凶暴そうなのに凄く笑ってるように見えるわ」
紗也加「森島先輩は犯人じゃないよね。先輩は人間に危害を加えるようなことはしなさそう」
地元の体育館 事務室
爺い職員(以下職員)「一昨日の夜のことを教えて欲しい?」
橘「はい、どうか些細なことでもいいので教えて下さい」
僕は黒辻さんと一緒に紗也加さんの事情は一部伏せて、うまく一昨日の夜のことを聞けることになった。
職員「一昨日は体育館を使っていたのは4人だけじゃ。バレーの自主練をしてる女子高校生とこの辺の小学校のから来とる3人の男の達しかいなかったよ。この4人はちょくちょく来るから覚えてるよ」
黒辻「何か変わったことはないかしら」
職員「女子高校生の方は何も。一生懸命練習しておったよ。子供達の方は…そういえば体育館の隅に置かれていた女子高生の荷物を漁っていたのを注意したわい」
橘「えーーーっ! 何か盗ったんですか?」
職員「いや、あの子供達は何も盗ってないと信じとる」
黒辻「信じる?」
職員「この目で女子高生の荷物の中身を直接見たわけではないし、また彼女の方にも何か盗られた物はなかったかと確認はしなかった。彼女は練習に夢中で子供達が荷物をゴソゴソしていなかったことに気づいていなかった。子供達も彼女にバレることを怖がっていたから、あまり大事にすると子供達が気の毒だと思って、口答で何も盗ってないことを確認し見逃してやったんじゃ」
黒辻「職員としてあるまじき行為ですね。その甘さが後にどんな大きな影響を及ぼすかわからないというのに」
職員「…それを言われると何も言えないのう。あの子達は根は悪い子ではないと思っているからつい甘さがでてしまったわい」
橘「一応、紗也加さんは何か盗られたなんては言ってないよね?」
黒辻「…そうね。ねえ爺さん、その子供達が彼女の荷物を漁っていたとき手に何か持ってなかった?」
橘(黒辻さん、職員の人をじいさん呼ばわり)
職員「そうだのう、手には白い靴下、彼女の荷物に戻したから彼女のじゃな。それともう片方の手にも何か持ってたの。確か……」
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