過去ログ - 天井亜雄「今は……いつなんだ?」
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959: ◆WWqRalPcWM[saga]
2012/07/24(火) 11:13:23.72 ID:tbiG482M0
布束「Never thought. こんな出方をするなんて……どういうこと?」
天井「……」
さらに次月末、晩夏の候である。
空調と扇風機により適度に冷えた天井の研究室で二人、一部の書類を睨んで頭を痛めていた。
次の四半期、十月から十二月の補助金が出るという内容。
それも以前通りの額ではなく約三分の一ほど。
医療分野の研究に対する資金としては明らかに物足りないが、決して軽視できる量でもない。
布束「You know... 向こうは人員が欲しいから圧力を掛けていたのではなかったの?」
最初は確かにそうだった、と思っている。
意味がすり替わったとしたら多分あの真っ白なメッセージが届いた時だ。
ぜひ参加しろ、から余計なことはするな、へ。
天井「……あの予定ではもう実験の準備は始まっているはずだ。私達に構う暇がなくなったんじゃないか?」
心にも無い台詞は随分楽観的に響いた。
実際のところ、どうなのだろう。
意味合いとしては、あれから実験や第一位について嗅ぎ回っていないことへの、いわば「飴」としての支給。
そんな感触がする。
だが相手からしたら邪魔をされない方が当然で、一研究者への攻撃の手を緩める意味が分からない。
布束「使えるものなら全て使いたいけれど。Anxious. 気になるわね、額も半端だし」
もしや、都市上層も一枚岩ではないとか。
天井の思い描く『この都市』が統括理事会と等号で結ばれるかは計り知れないが、以前冥土帰しが口にしていた親船なども都市のトップの一員には含まれるだろう。
必ずしも上が敵とは限らない、のだろうか?
天井「貰ったからといって弱みになるものでもないか。出所や名目は今までと同じだ」
布束「Assuredly, そうね、有り難く使わせ――っ!?」
ずん!! と唐突に部屋に衝撃が走った。
次いでカタカタカタと細かい揺れが続いている。
布束の前に置かれた紙カップの中、カフェオレが小さく波立つ。
始めの一瞬で零れた分の茶色がじわりと底に染みている。
天井「――最近多いな、この妙な地震は」
布束「えぇ、気味が悪いわ」
通常、地震はまず小さな縦揺れ、その後大きな横揺れへと移り変わるものだ。
ここしばらく頻発しているのはそのパターンに沿っておらず、何らかの外的要因によるものと予想されていた。
未だ大きな被害が出る事態にはなっていないが……。
布束「Indeed. 地殻変動が起こるような怪しい実験でもしているのかしら」
振動は三十秒ほどでやっと止んだ。
実験か、あの第一位ならその気になればこのくらいはできるかもしれない。
天井「……どうも気が削がれたが。まぁくれるというなら突き返す義理も無いな」
どうしたって研究者の身でできることはまず実験や考察だ。
もどかしくもあり、だが着実に必要なことであり。
割り切れなく感じる部分もあるが全く補助金の入らない今よりは研究も進めやすいだろう。
布束「やっぱりそうなるわね。Decisively, 成果を出して見返しましょう」
>>+1
今から次の四半期に掛けてしたいことがあれば
>>+2
研究の進度
※コンマ判定 ★修正なし
- 4:ファンブル
5-49:失敗
50-94:成功
95- :クリティカル
成功度により進度が変わります
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