過去ログ - 天井亜雄「今は……いつなんだ?」
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967: ◆WWqRalPcWM[saga]
2012/07/25(水) 12:13:59.06 ID:/UdDDZMM0


残念な屋外実験はともかく、他にも手は尽くしていた。
麻酔で感覚が無い状態などでも肉体変化が使えるか試してもらったり。
今度は精神状態から類似バイタルを引き起こせないか、環境音楽を聞いたり無作為な文字列を音読したり。

可能性が無くはない、程度の模索。
どれも目を惹くような結果には繋がっていなかった。

黄泉川「今日もお疲れだねえ。ちょっと気になる無国籍系の店があるんだけど……どうじゃん?」

天井「それよりもこの前言っていた刺身の美味い店が気になるのだが」

首の下に溜まった汗をタオルで拭う。
ジムの鮮烈な照明の下で長髪の教師がにははと笑った。

黄泉川「良いじゃんよ、今日は気軽な飲み屋の気分なんだよー」

あれから、呑みたい気分になった――仕事に疲れたりした時、度々席を共にするようになった。
なんとはなしの慣例で誘う方が店を指定するのだが。
今日はまた、互いにそういう気分らしい。

天井「分かった、分かったから。お前の行きたい店で良いからばきばき指を鳴らすな!」

黄泉川「うーんその譲歩の姿勢、素晴らしいじゃん。日本人の美徳――――っと」

じゃあお前はどこの国籍だ、そう返そうとした瞬間だった。

ぐらぐら、不意に小さく建物が揺れる。
あまりに頻繁なのでもう慣れてしまった。
ただ器具に挟まれたりしないよう、一歩位置取りを変える。

天井「……ふぅ、止まったか。小さいとはいえこう連続すると怖いな」

黄泉川「――っだー!! 鬱陶しいじゃん!」

天井「どうした急に」

確かに不安を煽るような妙な揺れと回数である。
鬱陶しいという表現もさもありなんという感じだが――、

黄泉川「はー。学生が騒ぎ立てたり便乗して火遊びなんてしないように、厳戒態勢なんじゃんよ」

詳しくは言わないが、そういうことらしかった。
心配になるのは学生も同じ、さらに好奇心を刺激される元気なのも多いだろう。
警備員の仕事は大変だ。

天井「何というか……そちらこそ、お疲れだな」

トレーニング後の予定だけ相談し、マシンに突撃していく彼女の背を送る。
先に酔い止めのドリンクを飲んでおいた方が良さそうだ。
今日は荒れそうである。





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