158:猫宮
2013/02/02(土) 19:01:51.33 ID:hf4xg+FT0
「ほら、憂ちゃん。食べちゃおうよ」
「で、でも……」
「お金はちゃんと入れてるんだし、誰も困らないって。
大体、今の私達の状態は神様の変な設定で困らせられてるだけだもん。
これくらいしたって、神様がフォローしてくれると思うよ」
「そ、そうかなあ……」
「お客さんが少ない時間帯だから、このまま放っておいたら冷めると思うし。
それは流石に勿体無いでしょ?
ね? だから、食べちゃおうよ、憂ちゃん」
「あっ……、えっと……」
「何?」
「ありがとう、梓ちゃん……」
「いいって」
照れた様子で憂ちゃんが微笑み、私も釣られて微笑んだ。
あんまり褒められた事じゃないけど、
憂ちゃんへのせめてものお礼って事で今だけは見逃してね、神様。
これで私が『一生に一度のお願い』を叶える資格を失くす事になっても構わないから。
今はもう憂ちゃんが笑顔で居てくれる事の方が大事に思えるから……。
「お姉ちゃんの焼きそば、美味しいね」
憂ちゃんに半分分けてもらった焼きそばは、憂ちゃんの言う通り意外と美味しかった。
意外と、って言うのも失礼かもしれない。
だけど、それくらい凄く美味しかったんだよね。
それはきっと。
満面の笑顔の憂ちゃんが隣に居てくれた事と、無関係じゃないと思う。
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