過去ログ - 梓「サナララ」
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41:猫宮[saga]
2012/09/01(土) 19:06:26.72 ID:hnzHRHEQ0
「ごめんね、またちょっと考え事しちゃってたみたい。
とにかく、平沢さんはお姉さんの元気と幸せをお願いしたんだよね?
そのお願いはどうだった?
お姉さん、元気で幸せになってた?
……って、傍から見てるだけじゃ、
元気なのか幸せなのか分かりにくいかもしれないけど」


「そんな事無いよ、梓ちゃん。
『お試しお願い』が叶って一週間、お姉ちゃんすっごく幸せそうだったよ。
夏の暑さに弱いお姉ちゃんなんだけど、
その一週間はすっごく元気だったし、幸せそうに微笑む事も増えてたもん。
本当に元気で幸せになれてたんだと思うなあ……」


そう言ってから平沢さん自身も幸せそうに微笑んだ。
お姉さんの幸せが平沢さん自身の幸せでもあるんだろうな。
でも、その数秒後、平沢さんの笑顔は少しだけ曇った。
幸せなのに幸せじゃない……、そんな感じの表情に見えた。
私がそれを指摘するより先に、平沢さんはまた微笑んで話を続ける。


「だからね、梓ちゃん。
『お試しお願い』はちゃんと叶ってるんだと思うよ?
想像してた形とは全然違ってるのかもしれないけど、きっと叶ってるんだと思う。
何か心当たりないかな?
よかったらでいいんだけど、梓ちゃんの『お試しお願い』が何だったのか訊いてもいい?」


「あ……っと、それは……」


私は口ごもってしまう。
親身になってくれる平沢さんに真実を話したい気持ちはやまやまだけど、
流石に面と向かって『貴方の事を知りたかったから』って本人に伝えられる度胸は私には無い。
だから、私はちょっと嘘を吐いていた。
完全な嘘ではないけど、本当でもない事を口にしてしまっていた。


「私の『お試しお願い』はね……、えっと……。
『平沢さんと同じ生活をしてみたい』ってお願いだったんだ」


「私と同じ生活……?」


「うん、だって、平沢さんっていい所のお嬢さんっぽいじゃない?
だから、どんな生活をしてるのかなって気になっちゃって……。
セレブリティな生活を体験してみたかったんだよね」


「ええっ、私がお嬢さんだなんて、そんな事無いよ、梓ちゃん。
私の家、普通だし、私自身だって普通だよ?
お嬢さんっぽい所なんて無いと思うんだけど……」


「ううん、それこそ無いよ、平沢さん。
平沢さんの家は本当に普通の家なのかもしれないけど、
平沢さん自身はすっごくお嬢さんの貫録を漂わせてるもん。
落ち着いてるし、気配りも出来るし、
優しく私に『チャンスシステム』の説明もしてくれるし、だから……」


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