過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【２～魔法少女訓練編】 -SS速報VIP

過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【２～魔法少女訓練編】

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924: ◆Rf40X2USO7Yr[saga ]
2012/07/26(木) 22:12:08.28 ID:rvkbscvAO
［訓練］

　訓練の開始とともに、アタシは疑似ソウルジェムの魔力を目の前の一点に集中させた。空中から現れた赤い果実、リンゴにかじりつくと、アタシの全身の動きがいつも以上に鋭く研ぎ澄まされる。万全の状態でないとサヤカには太刀打ちできないはずだ。

　それを受けてサヤカもその場に立ち止まり、右手の剣を軽く振るように動かした。次の瞬間、まるで念話のように、空気を伝うのではなく直接に心に聞こえてくるような音楽が鳴り響いてきた。サヤカの魔法の効果だろうか。その音楽の力がサヤカの身体に流れ込み、動きをいっそう素早くさせているのが分かった。

　アタシは槍を小脇に構え、全身の体重を乗せて前へと突進した。穂先はサヤカの剣が動くよりも一瞬速くその身体を捕らえ、片腕に突き刺さった。サヤカは顔を歪めて飛び退こうとしたが、急所を外すのがせいいっぱいで、勢いに押されて背後に跳ね飛ばされた。

　すかさず追撃を加えようとするアタシの前に、サヤカは傷を負っていないほうの腕で剣を投げつけてくる。アタシはそれをかわしながら再度、サヤカに詰め寄ろうとした。当たれば戦いの主導権を握れるはずだったその一撃は、わずかにサヤカの身体には届かなかった。

　攻撃をかわされてできた隙を取り戻すために慌てて向き直ったアタシの眼に、サヤカの身体が青白く光を帯びているのが映った。癒しの魔法の力がサヤカの受けた負傷をみるみるうちに回復しているのだ。傷の治った手とさっき投剣を放った手の両方に武器を握って、サヤカは一瞬にやりと笑った。

　その笑みに不吉なものを感じて身をよじるのがわずかでも遅れたら、恐らくアタシは両方の腕からの剣撃をまともに食らうことになっていただろう。間一髪というところで避けられたその双剣による斬撃は、間違いなくサヤカの切り札となる攻撃だった。

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