過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【２～魔法少女訓練編】 -SS速報VIP

過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【２～魔法少女訓練編】

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927: ◆Rf40X2USO7Yr[saga ]
2012/07/26(木) 23:26:27.83 ID:rvkbscvAO
［訓練］

　間合いなしの体当たりの裏を突いたサヤカの剣技が、狙い過たずアタシの疑似ソウルジェムを貫いた。痛みはなかった。だが、魔力そのものの根源がぐらりと揺らいだ気がした。しばらくの間、アタシは混濁とした意識の中で、効果の薄い体当たりをサヤかに繰り返していたように思う。

　やっと意識が戻った時、幸いにもサヤカはまだその一撃に匹敵するような攻撃を繰り出せていなかった。ここで一太刀も浴びせずに倒れるわけにはいかない。アタシはグリーフシードに残った魔力を注ぎ込みながら歯を食いしばった。さっきの隙を追撃しきれなかったことでサヤカにも焦りが生じていた。狙うならここしかない。

　アタシは渾身の力を振り絞ってサヤカの疑似ソウルジェムを刺し貫こうとした。恐らくサヤカはまだアタシにそれだけの余力が残っているとは思いもしなかったに違いない。不意を突かれたサヤカが再び吹き飛ばされて壁に跳ね返った時の一撃は、アタシにとって会心の当たりだった。

　だが、それが限界だった。アタシはサヤカの繰り出す剣撃をかろうじてしのぎながら、ほとんど間合いのない状況での突きを繰り出すのが精一杯だった。アタシが魔力を失って倒れる頃、サヤカの双剣から最後の連撃が繰り出され、さっきの致命傷に勝るとも劣らぬ打撃をアタシに与えた。

「それまで、だね」

　QBの声が響いた。アタシは倒れた身体を起こす力もないまま、ぐったりと訓練場の床に横になったままだった。サヤカが慌てて駆け寄って、治癒魔法をアタシにかけてくれるのが分かった。ゆっくりと傷が癒えてきて、アタシはようやく人心地のついた気分になった。

「大丈夫、キョウコ？」

「ああ…また世話になっちまったな。負けだよ、アタシの」

「訓練だから勝ち負けはそれほど重要じゃないけど、君はもっと自分の間合いにあった戦い方を身につける必要があるね、キョウコ。補助魔法で能力を高めて、なるべく距離の離れた位置から突進技を当てていけば、今の戦いにも十分、勝機はあったはずだよ」

　QBの声に、アタシはそんなもんかな、と首を振った。

「ともあれ、二人ともお疲れさま」

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