過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:22:37.14 ID:yFuxTM2h0

少女「でも、こんなやつらだめだよっ。絶対弱いよ!」

勇者「なんだって?」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:23:28.77 ID:yFuxTM2h0

 勇者はその時ようやく、目の前の少女が背負っているものに気が付いた。
 雲のような鈍色をした金属。柄の先端と殴打面には金色の幾何学模様が描かれている。

 金槌。それも、少女と同じくらいの長さのある。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:24:23.59 ID:yFuxTM2h0

 砕かれた頭から、頸動脈から、血が噴出し往来を染め上げていく。

 遠くから聞こえる通行人の困惑と、叫び声。

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:27:35.22 ID:yFuxTM2h0
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 勇者は夢を見ていた。
 いつも、死んでいる最中は夢を見る。
 大抵は地獄のような、彼を苛む夢であるが、時たま生まれ故郷の夢を見ることもある。

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:28:48.68 ID:yFuxTM2h0
 旅は熾烈を極めた。最寄のギルドに行くのすら、山を下りなければいけない。
 魔王を倒す仲間を集めることすら難しい。
 一週間もたたず殺された。どこにでもいるようなゴブリンが相手だった。

 意識が朦朧とする中、光に包まれた女性が目の前に立っているのを見た。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:29:44.18 ID:yFuxTM2h0
 とりあえず仲間を探すところから始めた。
 魔物を殺しながら経験を積み、山を下り、王都に向かった。
 煌びやかな装飾。聳え立つ煉瓦造りの教会。煙を吐き出す煙突。

 故郷と比べてはるかに偉大な土地を、ひっきりなしに兵士が動いていた。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:31:28.58 ID:yFuxTM2h0
 そして、全員が死んだ。

 わずかな気の緩みが命取りだったのだ。
 魔物の隊長格との戦闘で、騎士が倒れ、武闘家が倒れ、僧侶もまた倒れた。
 相討ち覚悟で隊長格の首を薙ぎ払い、勇者もまた倒れた。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:32:23.32 ID:yFuxTM2h0
――――――――――――

 勇者が目を覚ますと、鬱蒼と茂った木の葉が見えた。
 ところどころから木漏れ日が差し込んでくるが、それにしたって薄暗い。
 気温から察するに夕方のようだ。
以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:33:09.81 ID:yFuxTM2h0
勇者「埋め合わせは、必ず」

狩人「別に、いいけど」プイッ

勇者「あの、狩人さん?」
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:33:40.64 ID:yFuxTM2h0

勇者「夢の中で、俺の冒険を俯瞰してるんだ。どんどん仲間を使い捨ててきたよ」

狩人「大丈夫だから」ギュッ

以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/07/11(水) 18:35:23.86 ID:yFuxTM2h0
狩人「楽したでしょ」

勇者「え?」

狩人「女の子と戦ったとき。死んだほうが早いって」
以下略



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