過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」
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2012/07/11(水) 18:32:23.32 ID:yFuxTM2h0
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勇者が目を覚ますと、鬱蒼と茂った木の葉が見えた。
ところどころから木漏れ日が差し込んでくるが、それにしたって薄暗い。
気温から察するに夕方のようだ。
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2012/07/11(水) 18:33:09.81 ID:yFuxTM2h0
勇者「埋め合わせは、必ず」
狩人「別に、いいけど」プイッ
勇者「あの、狩人さん?」
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2012/07/11(水) 18:33:40.64 ID:yFuxTM2h0
勇者「夢の中で、俺の冒険を俯瞰してるんだ。どんどん仲間を使い捨ててきたよ」
狩人「大丈夫だから」ギュッ
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2012/07/11(水) 18:35:23.86 ID:yFuxTM2h0
狩人「楽したでしょ」
勇者「え?」
狩人「女の子と戦ったとき。死んだほうが早いって」
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2012/07/11(水) 18:36:28.58 ID:yFuxTM2h0
狩人「あのあと――」
少女「本人のいないところでそういう話は感心しないなっ!」
振り向けば、鎚を背中に背負った少女が立っている。手には大小の木の枝。
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2012/07/11(水) 18:37:07.70 ID:yFuxTM2h0
勇者「な、なにすんだ!」
老婆「ひゃひゃひゃ。たまには若い男に触らんと長生きできんのよ」
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2012/07/11(水) 18:37:57.70 ID:yFuxTM2h0
指が勇者ののど元に突き付けられる。
老婆の爪は、なぜかその一本、右手の人差し指だけが、やたらに長く鋭い。
皮膚に爪が押し込まれる。血こそは出ないが、かなりの力だ。
以下略
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2012/07/11(水) 18:38:32.48 ID:yFuxTM2h0
老婆は「ひゃひゃひゃ」と一転軽く笑って立ち上がる。
そうして深々と下がる、彼女の頭。
老婆「いや、なに。すまなかった。悪ふざけが過ぎたようじゃ」
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2012/07/11(水) 18:40:10.75 ID:yFuxTM2h0
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日もとっぷり暮れ、月影すらも見えない曇天が、群青と薄灰に空を染める。
木の陰ではそれぞれが眠りに落ちている。
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2012/07/11(水) 18:40:36.39 ID:yFuxTM2h0
炎を見つけて近寄ってきた旅人だろうか。
それとも。
勇者「……」
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2012/07/11(水) 18:41:20.05 ID:yFuxTM2h0
無論答えるはずもなく、肉薄、前衛の脇をすり抜けて、中衛の喉笛へと刃を充てる。
勇者「それはこっちの台詞だ。夜盗か? 俺の前に姿を見せろ」
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