過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」
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943: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:05:17.66 ID:wBktaGLT0

 九尾が魔王を復活させようとしていたのは、かなり前から聞いていた。世界平和という目的も、九尾の食人衝動も、わかっていた。
 純粋に九尾を応援していたのだ。前魔王が消えて、新たな魔族は生まれない。私たちは兄弟みたいなものだったから、九尾に協力するのは当たり前だと思った。

 デュラハンのために少女を捕まえてきたのも結局はそういうことなのだ。九尾も、ウェパルも、デュラハンも、みんな幸せになればよかった。そのためなら私は何だってするつもりだった。
以下略



944: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:06:03.73 ID:wBktaGLT0

 デュラハンも、耐え切れなかった。彼は少女との戦いだけでは満足できなかった。より強い相手を求め、その相手として魔王を選定した。それくらいしか彼には衝動を満たせる相手が残っていなかった。

 何度九尾に心のなかで謝ったろう。ごめんと、ごめんなさいと。
 幸いにも九尾はこの衝動をわかってくれた。どうにもならないものなのだ。私が私でいる限り。そして、だからよしとはせずに、きちりと裁いてくれるという。それが、何よりうれしい。
以下略



945: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:06:32.33 ID:wBktaGLT0

 九尾の突撃。限界まで素早さを上げ、攻撃力を上げ、防御力を上げたその肉体は、まさに意思を持った砲弾だ。間に合わない。

 自動で地面がせりあがり、壁を作る。この世界は私の匣庭。全てが私を守ってくれる。

以下略



946: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:08:16.55 ID:wBktaGLT0
 煌々と明るい右手と、燦々と煌めく左手。
 メラゾーマとマヒャド。

九尾「合体魔法――!」

以下略



947: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:12:00.86 ID:wBktaGLT0

アルプ「っ!?」

 脚が動かない。
 手が動かない。
以下略



948: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:12:57.36 ID:wBktaGLT0

グローテ「アルスは死んだ」

 人間としての、ということかな。
 さすがにここで、「いや、隔離したのあんただし」とは言えない。
以下略



949: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:13:27.85 ID:wBktaGLT0

九尾「謝ってどうする!」

 九尾が私の前に現れて、火球を無造作に握りつぶした。

以下略



950: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:15:20.73 ID:wBktaGLT0

 九尾は跳んだ。速い。瞬きの瞬間に首を刎ねられる速度だ。
 切迫した九尾は、けれど大きく弾かれる。帯電する空気。老婆と女性の周囲に不可視の障壁が張り巡らされているのだ。

九尾「小癪な」
以下略



951: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:15:58.73 ID:wBktaGLT0

グローテ「行くぞ、クレイア!」

クレイア「はい、師匠!」

以下略



952: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:16:46.31 ID:wBktaGLT0

 みな甲冑を身に着けていた。しかしその意匠はばらばらで、同一国家なら統一されているはずの紋章すらばらばらである。
 周辺諸国の連合? そこまで考えて、固定されている首を脳内で横に振った。あれは事実として、同一国家の兵士じゃない。
 ならば一体何か。老婆はザオリクで、一体どんな集団を蘇生させたのか。

以下略



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