過去ログ - 女「人間やめたったwwwww」2
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3:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/07/12(木) 22:47:30.69 ID:Wldddmhko
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廊下に出ると、彼女は僕に後ろを向かせた。
「やっぱり。この傷どうしたの」
「傷なんて――腕ならさっき怪我しましたけど」
もっとも、その腕はもう治りかけている。
「違う。背中よ」
彼女は僕の背中の傷があるらしいところを指でなぞる。
一瞬、息がとまるほど冷たい指だった。
一、二、三。
「ほら、ここんとこ。爪で作ったみたいな傷跡」
脳裏に、ぼうっと光る母猫の姿がよぎった。
「まさか、まだ祟られてるんじゃ――」
「いえ、それはないはずよ。彼女はちゃんと逝ったもの」
「どうして」
お義姉さんは無言で、僕の右手から指輪を抜き取った。
「こんなもの、渡さなければよかった」
彼女は忌々しそうに言って、指輪を飲み込んだ。
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