過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆YHxtVKAHbw
[sage saga]
2012/07/17(火) 21:59:51.22 ID:R5rxtn7yo
現在地、イベント会場、他のブースとは切り離された一角から少し離れた場所。
「通販とかなら年齢ごまかしたりするし、店で買うときもチェックが甘い店を選んでるんだけど、今回のイベントはそのあたりすごく厳しいの。あそこのブースは学生証とか免許証のような年齢が確認できるものが無いと入れてくれないんだって」
えっと、その、つまり?
「あたしも黒いのも沙織も全年齢版ソフトのブースしか見れないの。あんた十八でしょ」
ということは?
桐乃はバッグからイベントの告知のチラシを取り出し、財布と一緒に俺に押し付ける。
「ここに書いてあるイベント限定グッズ、買ってきて!」
いい笑顔だな、オイ!
「は、はは……」
俺に殊勝な態度を見せたり泣きついたり、そうまでして欲しかったのかよ?
「分かったよ。買ってくりゃいいんだろ。この前言ってた埋め合わせはこれでチャラな?」
「はあ? 何言ってんの? “アキバに一緒に来た訳じゃない”んだからチャラになるわけないじゃん!」
さすが理不尽大魔王だぜ。
「──ったく、ふざけるのもいい加減にしてよね!」
お前がな!
十八禁ブースから出てきた俺の手から戦利品を奪い取った桐乃は、手をシッシッと動かしながら、
「用は済んだから帰っていいよ」
このクソアマ……。
まあ、後は黒猫と沙織に任せて大丈夫だろう。
だけどなんか引っかかるんだよな。
まあ俺がシスコンなのは認めざるを得ないかも知れないが、
「黒猫、あいつの目的は見ての通りだ。桐乃に限ってブラコンというのは無いだろうよ」
しかし黒猫は笑みを浮かべていた。
「どうかしら? どうしても十八禁グッズが欲しかったら他にも手段はあったはずよ?」
「他の手段って身分証偽造とか?」
「……莫迦?」
バカとはなんだ、バカとは。
だが俺の中の『引っかかり』は十八禁グッズ入手方法に関連しているような、そんな気がする。
その引っかかりが何なのかが分かったのは、会場の外で自転車に施錠している男を見た時である。
忘れもしないその自転車、匠の手で改造を施された痛チャリ、人呼んで『しゅーてぃんぐすたー号』。
「御鏡!」
そうなんだよ、桐乃のオタク仲間には俺と同じ十八歳の御鏡がいるじゃねえか!
「あ、京介くん、奇遇だね!」
「そーだな、思いっ切り奇遇だな。ちょっとツラ貸せや」
「え? 僕、急いでて。イベントのグッズ、まだ残ってるかどうか……」
「在庫はたくさんあったよ。いいから来い」
「まだなんのイベントか言ってないけど?」
「『ありす+』だろ? とにかく来い」
俺は「え?」とか「ちょっと」とか言う御鏡を無視して、イベント会場のビルの出入り口が見える位置にある喫茶店に連行した。
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