過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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166: ◆YHxtVKAHbw[sage saga]
2012/08/01(水) 08:10:03.19 ID:BR3oCDRdo
 続いて到着したのは──

「なあ、桐乃」
「なに?」
「赤穂事件でも題材にするのか?」

 泉岳寺である。
 江戸城松の廊下の刃傷事件で切腹になった浅野内匠頭、その仇討ちをした大石内蔵助ら赤穂浪士の墓がある寺だ。

「直接的には関係ないケド、時代的には同じ時期を想定してるから一応」

 元禄時代に江戸城攻めの戦ってあったっけ?
 ていうか江戸城を舞台にした戦なんて、室町時代の江戸城築城した太田道灌死後の内乱程度だったと思うのだが。
 幕末にしても勝海舟とかの活躍によって無血開城したわけだし。

「あのねー、あたしが書こうとしてるのは歴史書じゃないの、小説! あくまでフィクションなの!」

 ま、まあ確かに水戸徳川家の隠居爺は日本漫遊なんてしてないし、八大将軍は旗本の三男坊を自称して火消し一家に居候なんてしていないし。

「あと、現代からお医者さんがタイムスリップしてくるから」

 JINかよ!? あ、あれは幕末だっけ。

「ちなみに針灸医ね」

 現代から来た意味ねー!

「江戸時代には発見されてなかったツボの知識を引っさげて、敵を体内から破壊するの」

 北斗の拳かよ!?


 ここで俺はある事をふと思い出した。

「ところで桐乃。今までの取材で、妹に関係するモノは無いようだが?」

 そう、桐乃が書く小説で妹が登場しないのはおかしい。

 しかし桐乃は俺の発言に対し何を勘違いしたのかジト目で「シスコン」と答える。

 いやいやいやいや。
 リアルでは俺は桐乃に対してシスコンと言われても仕方ないが、フィクションにおいては桐乃の方がよっぽどシスコンですってば。

 過去書いた桐乃の小説は理解できない世界だし、ゲームに置いても俺は未だに妹に対してアレやコレやをやるストーリーには抵抗がある。
 さしずめ俺はリアルシスコン、桐乃はリアル&フィクションシスコンといったところか(桐乃の場合、黒猫の妹も萌えの対象なので)。

 俺の質問の意味をようやく理解したらしい桐乃は、

「今回は今までのあたしの小説には無い斬新なストーリーにするつもりだから」

 と言う事は妹は登場しない、と?

「主人公のセリフは最初から最後までずっと男言葉で通すの。他の登場人物も主人公の性別に関するセリフは無いようにする。そうすると読者は『あ、主人公は男だな』と思うでしょ? ところがここにどんでん返しがあるワケ。主人公は実は妹だった! とね」

 ここでこの質問を桐乃に対してしてはいけないんだろうな、と思いながらもあえて聞く。

「誰の妹?」

 桐乃は途端に機嫌を損ね、

「妹は妹よ」

 答えになってねー。

 俺は幼稚園児に説いて聞かせるように、

「桐乃、お前は妹だよな?」
「なにいまさら当たり前のこと言ってんの?」
「でも、それは俺の妹という訳で、兄にしろ姉にしろお前の上にきょうだいがいない限り妹ではない。つまり、お前の家族に俺がいなかったとしたらお前には妹という属性は無くなり、単なる親父、お袋の娘でしかなくなる。分かるよな?」
「ワケ分かんないコト言わないでよ。京介がいようといまいとあたしは妹よ」
「だから、誰の妹なんだよ?」
「妹は妹って何度言ったら分かるの!?」

 逆ギレしやがった!

 いつもの桐乃ならこの程度の分別は出来ている(と信じたい)が、今は小説にのめり込んでテンションMAXのせいかヤバい状態になってる。

 これ以上この話題を引きずるのは俺の生命にも関わるような気がする。


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