過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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173: ◆YHxtVKAHbw[sage saga]
2012/08/01(水) 08:13:27.33 ID:BR3oCDRdo
 続いて、この小説の読者レビューを見た。
「ハラハラする展開」だの「映像化希望」だの、概ね好評だ。
 しかし、恋愛要素についてのコメントは見付からなかった。
 事情を知らない人が読んでもラブストーリーには見えないらしい。

「そういえば黒猫? この小説の主人公、名前は出てきたか?」

 無言でページ閲覧するのもなんだから場の繋ぎとして出しただけの俺の質問に、

「最後まで明かされなかったわ。でも物語の随所にヒントはあったわね。そこから導き出される答えは……『みやび』ね、多分」

 恐らく正解だろう。

「本当、下手なミステリ作家にも負けない高等なトリックだったわ」

 桐乃の小説を読むかは決めかねているのだが、読んだとしても俺の読解力で『みやび』のヒントは見つけれるだろうか。

「そうそう、取材の事を私に話したなんてあなたの妹には伏せておいた方がいいわよ?」

 黒猫の言葉の意味が分からず俺は首を傾げる。

「話してもいいことなら本人から自慢たっぷりに言ってくるはずだからよ。でも私はあなたの妹からこの話は聞いていない」
「ようするに、俺は余計な事をしたっていう事か?」
「そう。やっと分かったのね。本当に莫迦だわ」

 そういう黒猫の顔は優しい笑みで彩られていた。

<了>


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