過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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219: ◆6U1bthnhy6[sage saga]
2012/08/04(土) 09:47:09.49 ID:SxJr/XdDO

「・・・見惚れてるとかチョーありえないんですけど?」
「げ」

何事かと目を向けると、そこには彼の耳元に口を寄せている彼女・・・桐乃の姿があった。

「・・・どうしたの?」
「今こいつ、あんたの顔にポーッと見惚れてたの」
「あらまあ」

呆れたような声音にくすりと笑みを漏らす。

「あー・・・桐乃?とりあえず気配を絶って背後に立つのはやめなさい」
「ぼーっとしてるあんたが悪いだけでしょー?」

言いながら彼女は私とは反対側の位置に腰を下ろす。

「わ!ほんとに綺麗!」
「すごいわよねえ」

桐乃の忌憚ない賞賛に、私も素直に同調する。
・・・こんな風に私たち、がいがみ合うことなく一緒に居られるなんて、当時の私たちは夢にも思ってもいないでしょうね。
ふと気が付くと彼が微笑んでいた。
先に気が付けいたらしい桐乃が、彼の顔を覗き込んでいた。

「・・・どしたの?締りの無い顔がもっと緩んでるよ?」
「・・・」
「あらほんと。なんというか不謹慎な顔になっているわ」

桐乃の言葉に、すかさず私も言葉を重ねる。
覗き込んだ彼の顔は、なんともいえない表情を形作る。

「・・・お前らはよ・・・」

私たちにひどいことを言われて、それでも彼は笑っていた。
それだけの年月を過ごしてきたのだと、少しだけ当時に思いを寄せる。
まだまだ子供だったあの頃、それでも彼らは私を救ってくれた・・・必死に捨て身で。



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